研究課題/領域番号 |
23K16535
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱田 裕幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (70837351)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 運動学習 / ニューロモジュレーション / 経頭蓋交流電気刺激 / 脳波 / リハビリテーション / 経頭蓋電気刺激 / 神経ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
経頭蓋交流電気刺激は、頭皮上に設置された複数の電極を介して、脳への微弱な電気を与え、脳領域間の神経活動を修飾する作用を持つ。学習内容の保持は、リハビリテーションにおいて重要な要素であるため、運動学習の促進や保持に作用を及ぼす、課題前後の安静時に対する介入方法の検討は重要な意味を持つ。しかし、課題前後の安静時の脳の領域間の神経活動の特徴と運動学習の関係性は不明であり、安静時介入の戦略は明らかとなっていない。本研究では、健常者の運動学習に対する安静時の経頭蓋交流電気刺激による介入方法を構築することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
経頭蓋交流電気刺激は、頭皮上に設置された複数の電極を介して、脳への微弱な電気を与え、複数の脳領域間の位相同期を修飾する作用を持つ。手の巧緻運動の学習に対し、学習中の経頭蓋交流電気刺激介入は、学習を促進することが可能である。学習の促進のみならず、学習内容の保持は、リハビリテーションにおいて重要な要素であるため、運動学習の促進や保持に作用を及ぼす、課題前後の安静時に対する介入が、運動中の介入よりも有効である可能性がある。しかし、課題前後の安静時の脳の領域間の位相同期の特徴と運動学習の関係性は不明であり、安静時介入の戦略は未だ見出されていない。 そこで、本研究では、脳卒中リハビリテーションに対する応用のために、健常者の運動学習に対する安静時の経頭蓋交流電気刺激による介入方法を構築することを目的とし、①脳波を用いて、運動学習課題前と課題後における脳領域間の位相の特徴を明らかにすること、②学習良好群に認められる位相の特徴に基づき、経頭蓋交流電気刺激の介入をモデル化すること、③モデル化された介入を行い、運動学習の促進効果を検証すること、の3つのフェーズにて研究を行う。 2023年度は、健常者の手の巧緻動作の運動学習課題の安静時の脳波計測と解析を試みた。具体的な課題としては、参加者は、非利き手での掌上で2つのボールを回転させるボール回し課題を合計20分間実施し、前後の脳波を記録し、脳波解析を実施した。 2024年度は、脳波解析の結果に基づいて、経頭蓋電気刺激の介入モデルを構築する。そして、介入モデルの効果を検証することによって、運動学習を促進する介入手法が同定されることが期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
運動学習前後の安静時脳波を計測し、各領域間の位相の特徴を抽出することと、運動学習能力の成績上位群と成績下位群の、位相の差異を明らかにすることを2023年度の進捗目標としていた。当初の想定よりも実験のセットアップとデータ取得に時間を要したため、解析による位相の特徴抽出を年度内に完了できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度中に運動学習課題の成績良好群のパワースペクトルや、脳領域間の位相同期の特徴を抽出し、経頭蓋電気刺激介入のモデルを構築する。そのモデル化された介入の効果を明らかにするために、経頭蓋電気刺激による検証実験を行う。
|