研究課題/領域番号 |
23K16553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
根本 慎司 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (30963607)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 筋酸素飽和度 / 下肢筋力 / 下肢筋持久力 / 運動耐容能 / 筋酸素利用能 / 心不全 / 筋持久力 / 筋力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,心不全患者の筋力水準を考慮した上で,筋酸素利用能と筋力および筋持久力との関連を検討し,筋酸素利用能の改善に最適な骨格筋トレーニング方法の確立を目指す試みである.具体的には,①一定水準の下肢筋力が保たれている心不全患者における筋酸素利用能と下肢筋力および筋持久力との関連性の検討(横断研究),②一定水準の下肢筋力が保たれている心不全患者に対する下肢筋力トレーニングと下肢筋持久力トレーニングが筋酸素利用能に与える影響(介入研究:ランダム化比較試験)を段階的に進める.
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研究実績の概要 |
全身持久力の指標である最高酸素摂取量は、活動筋における筋酸素利用能に強く規定される。運動中の筋酸素飽和度の変化は、筋酸素利用能の一部を反映するといわれており、運動中の筋酸素飽和度の低下が大きいことは、高い筋酸素利用能を呈することを示唆する。我々は、健常若年男性を対象として、自転車エルゴメータによる心肺運動負荷試験中の筋酸素飽和度の変化と、下肢筋力および下肢筋持久力との関連を検討した。健常若年男性24例を対象とし、等速性筋力測定装置を用いて、下肢筋力および下肢筋持久力を測定した。対象者を下肢筋力および下肢筋持久力の両者が中等度以上に保たれている対照群(13例)と、下肢筋力と下肢筋持久力のいずれか、もしくはその両方が低下している対象者群(11例)に群分けした。また、全対象者において、筋酸素飽和度計を右下肢に装着した上で、自転車エルゴメータによる心肺運動負荷試験を実施し、安静時から漸増運動時にかけての筋酸素飽和度の変化を測定した。その結果、下肢筋力と下肢筋持久力の両者が中等度以上に保たれている対象者群は、下肢筋力と下肢筋持久力のいずれか、もしくはその両方が低下している対象者群と比べて、中等度から高強度の運動負荷における筋酸素飽和度の低下が有意に大きかった。したがって、健常若年男性において、下肢筋力と下肢筋持久力の両者を高く保つことは、高い筋酸素利用能の保持に寄与する可能性があることが明らかとなった。本研究成果は、下肢筋酸素利用能の改善に最適な骨格筋トレーニング方法の確立の一助となると考える。今後は、同研究内容を心不全患者を対象として実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全患者を対象として、心肺運動負荷試験中の筋酸素飽和度の変化と下肢筋力および下肢筋持久力との関連について検討する予定であるが、当初想定していたよりも研究倫理の審査に時間を要した。さらに研究対象者に合致する症例が当初想定していたよりも少なかったため、本研究課題の進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、健常若年者を対象とした検討を中心に実施してきたため、令和6年度は心不全患者を対象とした心肺運動負荷試験中の筋酸素飽和度の変化と下肢筋力および下肢筋持久力との関連についての研究を進めていく予定である。なお、本研究課題の進捗状況はやや遅れている現状であるため、当初予定していた介入研究は実施せずに、令和6年度と令和7年度で心不全患者を対象とした心肺運動負荷試験中の筋酸素飽和度の変化と下肢筋力および下肢筋持久力との関連についてを横断的に検討し、研究成果を海外での学会発表や国際誌では発表していく予定とする。
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