研究課題/領域番号 |
23K16560
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
森 公彦 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (10890890)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 片麻痺歩行 / 短下肢装具 / 運動制御 / 片麻痺 / 歩行 / 筋シナジー |
研究開始時の研究の概要 |
片麻痺患者における歩行能力の低下は要介護の主要な要因となるため、急性期から生活期のあらゆる病期や多様な片麻痺歩行障害に対応した効果的な歩行リハビリテーションプログラムを開発することが重要な課題である。本研究では、片麻痺歩行に特徴的な筋電図学的特徴による多関節運動制御の障害と関節運動などの運動学的特徴との相互連関を解明する。さらに、治療介入戦略の標準化を目指すために、多関節運動制御と運動学的特徴に基づいて歩行障害を類型化し、歩行再建のフレームワークを形成する。
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研究実績の概要 |
歩行能力が低下する生活期片麻痺者52名、健常者21名において、筋電図学的に多関節運動制御障害を詳細に分類すると、足関節底屈筋のモジュールの重みづけだけでなく、活動のタイミングの異常がもたらす歩行障害の特性を明らかにした。この筋活動のタイミングが異常を示すグループにおいては、片麻痺歩行トレーニングに用いられる短下肢装具の装着により足関節運動の自由度を調節すると、立脚期後半の推進力が増加することが明らかになった。 これは、片麻痺により機能が低下しやすい足関節運動の補助が効果的な、片麻痺歩行の多関節運動制御の障害の特徴を明確にした。 さらに、入院中の急性期片麻痺患者でしばしば用いられる長下肢装具の足関節自由度の影響を筋電図学的に解析した結果、麻痺肢の前足部への荷重が変化するとともに、下腿三頭筋の筋活動に変化が生じ、特に体幹機能の重要性を明らかにした。これは装具により膝関節自由度は制限されるものの、下肢軸の方向と角度を調整しやすくなることから、多関節運動制御における自由度の制限がもたらす効果を示すことになった。 回復期片麻痺患者では、本研究課題により機器を整備した後、10例程度の症例を追加計測できている。 マーカーレス歩行解析装置、加速度情報の特性を把握し、利用可能な情報を取得するためのデータが蓄積され始めたことから、回復期での治療に効果的な歩行の特徴を示すための準備ができてきている。加速度情報の解析法を確立するために情報を整理している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動麻痺により生じる筋電図学的な多関節運動制御の障害から、運動学力学に影響する指標を明確化できている。
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今後の研究の推進方策 |
重心の加速度情報、床反力情報、下肢関節運動あるいは下肢軸の運動学的特性に基づいた運動制御の障害の解析を進め、歩行能力が低下しやすい対象者の歩行特性を明らかにする。これまで蓄積した歩行解析データの解析を進めるとともに、新たにマーカーレス歩行解析装置やウェアラブルセンサーによる妥当性も含め利用可能な身体運動情報の特定を明確にする。解析の進捗に応じて、筋電図学的、運動学的な2つの側面から多関節運動制御の障害を特定する。
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