研究課題/領域番号 |
23K16563
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 岡山医療専門職大学 |
研究代表者 |
小島 一範 岡山医療専門職大学, 健康科学部 理学療法学科, 助教 (30885265)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 複合現実技術 / 歩行時二重課題 / 注意機能 / 転倒リスク評価 / Mixed Reality / 転倒予防 / 二重課題 / Trail Making Test |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会において重要な課題である転倒の原因の一つとして注意機能と関連した歩行時二重課題パフォーマンス能力の低下が挙げられている. 本研究は,MRの技術を利用して定量的で詳細に歩行時二重課題パフォーマンスの評価が可能な新たなツールを開発する.既存の注意機能評価法とMR技術とを組み合わせた評価法の開発により,運動機能や注意機能ごとの要因解析が可能な転倒リスク予測評価が実現されることを目的とする. またこの検査法の技術を応用し,個々の身体・認知機能レベルに応じた効率的なリハビリテーションプロトコールを作り出すことができ,運動機能障害や高次脳機能障害を有する患者に対する治療にも応用できると考える.
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研究実績の概要 |
・研究の背景: 超高齢社会において転倒予防は重要な課題である。この転倒の原因の一つとして注意機能と関連した歩行時二重課題パフォーマンス能力の低下が挙げられている。一方、近年Virtual Reality(VR)関連技術は進展し、リハビリテーション治療・評価ツールとして上記の問題点を解決できる段階に来ており、二重課題に対応したプログラムも実施されてきている。ただしVRでは実際に歩行しながらの課題が難しい状況である。 ・研究の目的: 本研究は、現実世界では配置困難な多種多様な仮想物体を3次元空間に落とし込み現実世界と合わせて配置できる複合現実(Mixed Reality:MR)の技術を利用して定量的で詳細に歩行時二重課題パフォーマンスの評価が可能な新たなツールを開発する。Trail Making Test (TMT)などの既存の注意機能評価法とMR技術が再現した空間内での歩行と組み合わせた評価法の開発により、運動機能や注意機能ごとに分類された要因解析が可能な転倒リスク予測評価が実現されることを目的とする。 ・達成した成果: 現在までに、MR技術を用いた歩行時二重課題による注意機能と転倒リスク評価プログラムの開発を行った。また、開発した評価法でパイロットスタディとして健常若年者約11名を被験者としデータ収集した。この結果をリハビリテーション医学会にて発表したうえで、関連する学術論文の執筆を進めている。さらに地域在住高齢者(65歳以上)を対象とした評価をスタートさせており、既存の注意機能検査と同時並行的に実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画として、MR技術を用いた歩行時二重課題による注意機能と転倒リスク評価プログラムの開発を令和4年度~令和6年度の期間とし、健常若年者によるパイロットスタディを令和4年度、令和5年度としており、概ね実施できていることから順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
・評価システムの改良: 現在の評価モデルにおいて充分な評価が可能であるが、今後さらなる改良を行う。具体的には、三次元空間上での物体の種類や物体の挙動の変化、またデータから得られるアウトプット手法の導入など、モデルの汎化性能を向上させる取り組みを行う。 ・学術論文の執筆と発表: 研究成果を学術界に発信するために、残りの期間で関連する学術論文の執筆を完了し、国内外のジャーナルに投稿する。また、学会発表やセミナーでの研究成果の発表を行い、他の研究者との交流やフィードバックの収集を図る。
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