研究課題/領域番号 |
23K16566
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
東本 翼 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90964247)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 脳血流 / 等速性筋収縮運動 / 運動療法 / 脳活動 / 脳健康維持 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の根本治療の確立が難航しており、脳の健康維持方法の確立が急務である。加齢に伴う脳血流や筋力の低下は、認知症発症リスクを高めることが報告されている。一方、習慣的な運動による脳血流や筋力の維持・増大が脳の健康維持に寄与することが示唆されている。そこで、本研究では、効率的に筋力の向上が得られるアイソキネティック(等速性)筋収縮に着目した。低負荷の等速性筋収縮を用いた有酸素性ペダリング運動を行い、運動中の脳血流の変化および一過的な運動効果が脳血流に及ぼす影響を明らかにする。本研究は、脳の健康維持および認知症の発症予防のための運動プログラムを確立するうえで有益なエビデンスになると考える。
|
研究実績の概要 |
認知症の根本治療と予防方法は確立しておらず、脳の健康維持が喫緊の課題とされている。加齢に伴う脳血流の低下は、認知症発症リスクを高めることが報告されている。一方、習慣的な運動による脳血流の維持・増大が脳の健康維持に寄与することが示唆されている。また、脳の健康維持には、運動による効果的な心肺機能と筋力の向上が重要な要素である。しかし、これまで認知機能や脳血流の向上を目的とした研究の多くは有酸素性運動が中心で、筋力の向上という観点は考慮されていない。そこで、本研究では、効率的に筋力の向上が得られるアイソキネティック(等速性)筋収縮を用いた有酸素性運動に着目した。具体的には、低負荷の等速性筋収縮を用いたペダリング運動を行い、運動中の脳血流の変化および一過的な運動効果が脳血流に及ぼす影響を明らかにする。本研究は、脳の健康維持および認知症の発症予防のための運動プログラムを確立するうえで有益なエビデンスになると考える。 令和5年度は、若年者を対象に、等速性筋収縮を用いた有酸素性運動の実験プロトコルおよび解析方法の確立に取り組んだ。具体的には、心電図、筋電図、血圧波形、脳血流、脳活動、呼吸代謝、運動負荷などの生理信号を同期して記録し、運動中の経時的な変化を評価した。健常な若年成人男性に等張性および等速性筋収縮のペダリング運動を最大下肢筋力の30%で実施した結果、両条件とも、平均脳血流速度の増大が観察された。さらに、今後、周波数解析法を用いて神経活動や筋疲労などの評価に取り組む。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、研究課題1である低負荷等速性筋収縮を用いた有酸素性運動中の脳循環特性を検討し、運動中の脳血流の増大を確認した。コロナ感染症対策のため中高齢者および高齢者の実験は控え、若年者を対象に運動プロトコルの確立に取り組んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、確立した測定・運動プロトコルを用いて研究課題1と2を同時期に実施する。具体的に、若年者から高齢者を対象に、低負荷等速性筋収縮を用いた有酸素性運動中の脳循環特性の解明および特異的な脳活動部位の特定に取り組む。
|