研究課題/領域番号 |
23K16575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
塩田 繁人 広島大学, 病院(医), 作業療法士 (30809025)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 生活活動 / 心不全 / 心拍出量測定 / ADL / 生活行為の効率化 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者は過負荷による症状増悪を避けるため身体活動を制限されることがあるが、身 体活動の制限に関する指針はない。心不全患者が身体活動量を維持するためには、至適運動強度で生活活動ができるように調整することが重要であり、心拍出量の測定に基づく生活活動の調整手法の確立が喫緊の課題である。本研究提案では、非侵襲インピーダンス式心拍出量計を用いることで、生活活動の工程ごとの心拍出量の測定によって、生活活動の調整が心負荷を軽減することを証明する。さらに、生活活動の調整が至適運動強度での生活活動を促進するかをコホート研究によって検証する。
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研究実績の概要 |
身体活動(生活活動+運動)を促進することは、循環器疾患や糖尿病、がん、認知症のリスクを軽減する。一方、重症度の高い心不全患者では、過負荷による症状増悪を避けるため身体活動を制限されることがある。『ESC 心不全治療ガイドライン 2021』では、疾病管理プログラムの一環として定期的な身体活動と個々の身体機能に合わせた身体活動量の調整を推奨しており、『心大血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン2021』では、心肺運動負荷試験(CPX)に基づく運動処方と運動療法を推奨しているが、生活活動の制限に関する指針はない。心不全患者が至適運動強度の範囲で身体活動を促進するためには、生活活動中の心負荷を客観的指標で明らかにし、過負荷となる活動の工程については心負荷を軽減するための生活活動の調整が必要である。 本研究の目的は、生活活動の工程ごとの心拍出量の測定によって、生活活動の調整が心負荷を軽減することを明らかにすることである。 2023年度は健常者と心不全患者を対象とした生活活動の工程ごとの心負荷の解明を予定しており、本研究予算によって無線タイプの測定機器を購入予定であったが、機器の値上げと円安の影響によって購入が困難であった.そのため,有線タイプでの生活活動の心拍出量測定を余儀なくされた.有線タイプの測定では,ノイズが入ることによる測定エラーが問題であり,予備実験においてもノイズ混入により正確な心拍出量測定が困難であった.他機関の研究者と業者への問い合わせにより,コードの固定と体幹の前後運動の抑制によってノイズの混入が予防できることがわかったため,2024年度に引き続き生活活動の工程ごとの心拍出量測定を継続する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では,ノイズの混入を防ぐため無線タイプの測定機器を本研究予算で購入予定であったが,機器の値上げと円安の影響で購入が困難となった.そのため,当研究組織で所蔵している有線タイプの測定機器で健常者を対象とした生活活動の心拍出量測定を実施した.しかし,ノイズの混入によって正確な測定が困難であり,コードの固定方法や測定肢位・姿勢について試行錯誤を続けたため,研究の進捗に遅れが出た. コードの固定方法と体幹コルセットによって体幹の前後運動を制御することで測定可能なことが判明したため,2024年度には生活活動の測定を進めることができる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は当初計画の2023年度の生活活動の心拍出量測定を実施する予定である.また,同時進行でクロスオーバー試験を進めることで研究の推進を図ることを検討している(倫理申請は承認済み).
また、2025年度から予定している前向きコホート試験に関する倫理申請についても今年度に実施する予定である.
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