研究課題/領域番号 |
23K16576
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山田 麻和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (30974076)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 失行評価 / ADL場面 / 上肢の失行 / 脳卒中 / 日常生活動作 / 観察評価 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中における上肢の失行は,日常生活動作(Activities of Daily Living; ADL)の低下や社会復帰に影響を及ぼす.効果的な失行へのアプローチのためには対象者の行為を観察し,障害の要因を抽出し,分析することが重要である.しかし,我が国の標準的な失行検査では失行の障害像を分析する指標が示されておらず,ADL場面での具体的な方策に導かれにくいとされている.加えて,ADL場面における失行の評価はなく,観察技能は個々の評価者に依存している状況にある.そこで本研究では,ADL場面における上肢の失行の観察評価を開発し,信頼性・妥当性について脳卒中患者を対象に検証を行う.
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研究実績の概要 |
2023年度、われわれは評価法の開発に向けた準備として、現在2回会議を開催し協力病院のメンバーを募集した。これまでに、研究代表者が所属する病院の作業療法士以外に、2つの病院の作業療法士より承諾を得ている状況である。現在は、承諾を得たメンバーとともに、一般的に使用されている失行の評価やリハビリテーションの実施状況、ADL場面における失行の観察技能の現状を把握するためのアンケート調査に向けた、アンケート項目の作成と調査対象の検討を行なっている。 また、評価法の作成に向けたディスカッションに先立ち、海外で使用されている評価方法の検索、失行以外の症候におけるADL評価の情報収集を継続的に行い、メンバー間で共有している。加えて、失行をはじめとした高次脳機能障害に精通した神経内科医1名、作業療法士2名に研究に関する相談・助言についての承諾をいただき、2024年度の実施に向けて日程調整を行なっている。以上、研究メンバーが確定したため、本研究について、所属機関における倫理委員会への申請に向け準備を行なっている。 また、我々が以前開発した失行のスクリーニング検査について、今回開発予定である評価における信頼性・妥当性の検証時に使用予定であり、カットオフ値を算出し論文化を行なった。2023年度に1度投稿したが、リジェクトされたため、修正して別のジャーナルへ再投稿する準備を行なっている段階である。 2024年度は評価の開発に向けて、実際に失行を有する患者と、失行を有さない患者のADL場面を動画撮影し、研究メンバーとともに失行の有無によるADL行為の違いについて、ADL場面での観察視点および技能について協議し、フォーカス・グループ・ディスカッションを実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗がやや遅れている理由として、1つ目に協力病院を募るのに時間を要したことがあげられる。長崎・佐賀高次脳機能障害研究会のメンバーに入れ替わりがあったこと、脳卒中患者を多くみている新たな病院を探すことに難渋したことが要因と考える。2つ目に、研究メンバーとの話し合いの中で、失行の評価やリハビリテーションの経験が他症候に比べると頻度が低いことがわかり、開発に先立って失行自体の最新の研究についての情報共有を行うなど、事前学習から段階づけて実施していることが要因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究メンバーを定期的なオンラインミーティングを実施し、失行の評価やリハビリテーションの実施状況、ADL場面における失行の観察技能の現状を把握するためのアンケート項目を完成させる予定である。その後、倫理委員会に申請するため、並行して準備を行なっていく。 また、評価開発後のデータ収集に向けて、使用する失行のスクリーニング検査のカットオフ値についての論文を再投稿する。
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