研究課題/領域番号 |
23K16584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
和田 美咲 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (10914632)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 板書 / 眼球運動 / 頭頸部運動 / 発達性協調運動障害 / 板書の書き写し |
研究開始時の研究の概要 |
小学校の通常学級に在籍する児のなかには、板書の書き写しに困難さを認める児が一定数存在し、眼球運動や頭頸部運動に拙劣さを抱えているが、座席の配置は教員に委ねられる。そこで本研究では、眼球運動と頭頸部運動の視点から、小学校低学年児における板書の書き写しを効率的に行うことができる座席の配置の明確化を目的に、研究①として、板書の書き写しが苦手な小学校低学年児における、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の特徴を明らかにすることである。研究②は、研究①の特徴から、板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の位置を明らかにし、板書の書き写しが要因で授業に遅れてしまう児が減ることに貢献する。
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研究実績の概要 |
小学校の通常学級に在籍する児のなかに、板書の書き写しに困難さを認める児が一定数存在し、眼球運動や頭頸部運動に拙劣さを抱えていることが示された。そのため本研究では、眼球運動と頭頸部運動の視点から、小学校低学年児における板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の配置の明確化を目的に、研究①として、板書の書き写しが苦手な小学校低学年児における、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の特徴の明確化をおこなう。この研究により、板書の書き写しが苦手な児の眼球運動(上下・左右・斜め方向)の特徴、頭頸部運動(前後・左右方向)の特徴、眼球運動と頭頸部運動の関連を明らかにする。研究②として、研究①の特徴から板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の配置の決定をおこない、板書の書き写しが要因で授業に遅れてしまう児が減ることに貢献する。 2023年度においては、研究①「板書の書き写しが苦手な小学校低学年児における、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の特徴の明確化」をおこなうことが計画されていた。研究①では、健常成人約30名の予備実験後、小学校低学年児(6~8歳)約50名を対象に、黒板に書かれた無意味語を紙面に書き写してもらう。その際の書き写すことができた文字数や眼球運動、頭頸部運動をアイトラッカーや小型無線多機能センサを用いて、動作解析をおこなう。現在、健常成人の眼球運動や頭頸部運動などの指標から、板書を書き写す際の課題内容や課題の提示方法の検討、機器の選定をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究①において、健常成人を対象とした予備実験において研究課題の提示方法や、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の検討に時間を要していることと、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、近隣の小学校や所属機関の附属病院およびリハビリテーションセンター外来に通う児童を対象とした測定に着手できていない。これらの理由から、進捗状況がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、眼球運動と頭頸部運動の視点から、小学校低学年児における板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の配置の明確化を目的に、①板書の書き写しが苦手な小学校低学年児における、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の特徴の明確化をおこない、②として①の特徴から、板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の配置の決定をおこない、板書の書き写しが要因で授業に遅れてしまう児が減ることに貢献する。 2024年度は、研究①「板書の書き写しが苦手な小学校低学年児における、板書の書き写し時の眼球運動と頭頸部運動の特徴の明確化」を継続する。健常成人約30名の予備実験後、小学校低学年児(6~8歳)約50名を対象に、黒板に書かれた無意味語を紙面に書き写す際の書き写した文字数、アイトラッカーを用いて眼球運動、小型無線多機能センサを用いて頭頸部運動を測定する。これらのデータより、眼球運動(上下・左右・斜め方向)の特徴、頭頸部運動(前後・左右方向)の特徴、眼球運動と頭頸部運動の関連性を明らかにする。 2025~6年度は研究②「板書の書き写しを効率的におこなうことができる座席の配置の決定」をおこなう。小学校低学年児(6~8歳)約50名(研究①と同様)を対象に、研究①の特徴から、上下・左右・斜め方向の眼球運動が苦手な児に適した座席、前後・左右方向への頭頸部運動が苦手な児に適した座席、眼球運動と頭頸部運動の両者が苦手な児に適した座席を対象児の通う実際の小学校の教室において提案する。提案した座席において、1-3ヶ月間過ごすなかでの板書の書き写しの様子について、担任教諭および保護者などから聴取する。また、対象児本人からも確認する。提案した座席で過ごす前と過ごした後の変化について、研究①と同様の方法で、書き写した文字数と眼球運動、頭頸部運動を測定し、比較する。
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