研究課題/領域番号 |
23K16591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
相原 正博 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (90736472)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 廃用性筋萎縮 / LIF / トレッドミル / 白血病抑制因子 / 筋衛星細胞 / マイオカイン / 運動介入 |
研究開始時の研究の概要 |
廃用性筋萎縮の筋が再生し肥大する過程には、筋衛星細胞が重要な役割を果たすことが知られている。骨格筋から分泌されホルモン様に働くマイオカインの1つに白血病抑制因子LIFがある。LIFは多様な生理的機能を持つが、詳細な機能は不明な点が多かった。最近LIFがヒト骨格筋培養細胞において筋衛星細胞の増殖を促進することが報告された。一方で、廃用性筋萎縮及びそれに対する治療的介入でのLIFの動態や筋衛星細胞に与える影響はこれまで検討されていなかった。本研究課題では、廃用性筋萎縮モデルマウスに対して再荷重やトレッドミル運動を行いLIFの動態をみる。さらに、LIFの発現を増減させて筋萎縮や肥大の変化を検討する。
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研究実績の概要 |
研究計画調書の通りに実験を遂行している。今年度の研究では、①筋萎縮誘発モデルマウスの作成(C57BL6マウスに、ギプス固定法により廃用性筋萎縮を誘発した。ギプス固定は一側後肢を膝関節伸展、足関節底屈位で固定し、2週間不動化した)、②筋萎縮誘発モデルマウスに対する治療的介入の実施(治療的介入は、再荷重とトレッドミル運動)、③筋萎縮誘発および治療的介入マウスの生理学的解析(HE染色)・生化学的解析(各群の骨格筋中の LIF量を測定)を実施した。トレッドミル運動は,TREAT-NMDの標準作業手順書 (SOPs) (DMD_M.2.1.003)に従って2週間(1週/2回)実施した。全ての実験期間終了後に腓腹筋とヒラメ筋の摘出及び血液採取した。 2週間の不動化により、下腿三頭筋の筋萎縮誘発が認められ、再荷重やトレッドミル運動介入によってコントロール群と同程度まで回復が認められた。しかし、骨格筋重量はコントロール群よりも増加は認められなかった。骨格筋中のLIFのmRNAの発現量はコントロール群と比較して、筋萎縮群で2.4倍、再荷重1日群で1.8倍、再荷重14日群で4.7倍、トレッドミル介入群では1.4倍であり、筋萎縮誘発から再荷重期間を通して発現量が増加した。ウェスタンブロット法によるLIF量においても各群で変動を示した。 しかし、サンプル数が少なく研究結果の精査が必要であり、今後もサンプル数を増やす予定である。また、骨格筋萎縮から正常レベルまでの回復過程は検討出来ているが、骨格筋肥大の検討は未だ実施出来ていない。次年度以降は、骨格筋肥大の過程にも重点を置き研究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書で挙げた研究計画の遂行はおおむね進行している。しかし、LIFのタンパク質量の定量化やLIF関連要因の分析、サンプル数が少ない。また、骨格筋萎縮から回復過程は一部ではあるものの評価は出来ているが、骨格筋肥大のプロセスは未だ出来ていない。次年度以降でサンプル数の増加や骨格筋肥大のモデルマウス作成やプロセスの分析を進行したい。
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今後の研究の推進方策 |
現状でサンプル数の増加と骨格筋肥大のモデルマウス作成やプロセスの分析が不足している。次年度に向けて、サンプル数増加を目指して、実験頻度を増加させる。骨格筋肥大モデルマウスは先行研究も参考にしながら、トレッドミル運動の強度変更、介入方法の変更検討を行っていく。
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