研究課題/領域番号 |
23K16594
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
南都 智紀 京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (80908442)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 舌圧 / 視覚的フィードバック / 嚥下機能 / 認知機能 / フィードバック / 嚥下 / 舌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、摂食嚥下機能のリハビリテーション時の舌圧の評価や訓練において、舌圧値の視覚的フィードバックが行われることが多く、舌圧波形を表示するフィードバック用ソフトウェアが開発された。しかし、フィードバックが舌圧に与える効果やソフトウェアの有効性については明らかではなく、認知機能低下とフィードバック効果の関連性についても解明されていない。本研究ではこれらの有効性や関連性を明らかにすることで、舌のリハビリテーションにおけるフィードバックの利用を促進することが期待される。また、本研究の結果は、将来の効果的なリハビリテーションプログラムの開発の基盤となる重要な知見を提供する。
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研究実績の概要 |
視覚フィードバックを用いた舌圧のトレーニングや評価において、視覚的フィードバックの効果が示されている。一方で、有効となる視覚的フィードバックのタイプについては明らかにされていない。また舌圧トレーニングにおいて、認知機能が低下した症例は除外されることがあるが、その根拠についても明らかではない。本研究では、様々な舌圧の測定課題において、有効となる視覚的フィードバックの効果や認知機能との影響を明らかにすることを目的とする。2023年度においてはデータ解析を行った。 対象は嚥下障害または構音障害を有し、最大舌圧が年代平均よりも低下した30名(男性18名、女性12名、74.1 ± 11.7歳、MMSE 24.6 ± 4.4点)をとした。JMS舌圧測定器を用いて、最大舌圧 (kPa)、7秒間の舌圧波形の積分値 (kPa・s) 、舌圧変化を時間で除した変化率の最大値(最大傾斜) (kPa/s) を計測した。フィードバックなしでの値を100%として、数値のフィードバック(数値FB)、舌圧波形のフィードバック(波形FB)での各項目の増加率を算出した。Mini-Mental State Examination (MMSE) スコア23点以下と24点以上、26点以下と27点以上の2通りで群分けし、フィードバック条件での増加率を比較した。その結果、波形FBでの最大傾斜の増加率は、MMSEスコア27点以上(110.4 ± 20.2%)よりも26点以下(137.9 ± 42.7%)で有意に高くなった。その他の項目の増加率は、群間で有意差がみられなかった。本研究の結果、認知機能の低下がある群においても、認知機能が保たれた群と同等またはそれ以上の効果が認められた。今後は舌の持久力測定課題における視覚的フィードバックの効果について明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究代表者の所属機関の変更に伴い、学会発表等の予定が当初の予定より遅れているが、データの分析等については当初の予定通り進行している。今後は引き続き論文作成および学会発表に向けた準備を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
所属機関の変更に伴い、データ分析の依頼や物品等の準備が遅れているが、今後は新しい職場で作業を進めていくことを予定している。 現在行っている最大舌圧に対するフィードバック効果についての論文を作成し、国際雑誌に投稿を行う予定である。また舌の持久力測定に関するフィードバック効果についてデータ解析、学会発表を予定している。
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