研究課題/領域番号 |
23K16621
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
森 汐莉 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00907032)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | ミトコンドリアDNA / がん性悪液質 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
がん性悪液質はQOLならびに生命予後を強く障害するが、その機序は完全には解明されておらず、有効な治療法も確立されていない。これまでにミトコンドリアDNA部分障害細胞(部分ρ0細胞)を樹立し、がん細胞におけるミトコンドリアDNA障害が全身に炎症を惹起し悪液質を誘導することを明らかにした。本研究ではミトコンドリアDNA変異と炎症誘導シグナル活性化が悪液質を惹起する詳細な機序を明らかにする。本研究は、がん性悪液質に対する治療法の開発に結びつくことが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究はミトコンドリアDNAと悪液質の関連を明らかにすることを目的としている。そこで申請者は、かねてよりミトコンドリアDNA障害を有するがん細胞であるρ0細胞、部分ρ0を樹立している。この樹立した細胞株においてミトコンドリアDNAの変化について量的な検討は行ったが、どのような部位に変異を有するか、変異に特異性はあるかどうかの検討は行っていなかった。そのため、親株、部分ρ0細胞のミトコンドリアDNAを抽出し、シーケンシングにより突然変異・フラグメント欠損などのミトコンドリアDNAの変異を明らかにした。その結果、いずれの部分ρ0細胞においてミトコンドリアDNAに変異が生じていたことが明らかになった。一方でミトコンドリアDNA変異における部位特異性は認めなかった。さらに部分ρ0細胞においてミトコンドリアDNAの変異と炎症が関与しているかを解明する必要がある。この検討には部分ρ0細胞および親株のミトコンドリアを除去した細胞質中にのみ存在するミトコンドリア由来DNAを抽出し、PCRにて量的に比較することで解析を行った。この検討によりミトコンドリアDNA変異を有するがん細胞(部分ρ0細胞)においてミトコンドリアDNAの放出が増大することが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度ではミトコンドリアDNAのシーケンスにより部分ρ0細胞の変異を明らかにした。さらに変異の有無で細胞内のミトコンドリアDNAの放出を解析した。
|
今後の研究の推進方策 |
がん細胞(親株、部分ρ0細胞、ρ0細胞)とマクロファージを共培養し、ミトコンドリアDNAの移行とcGAS-STINGの活性化を検討する。さらにミトコンドリアDNA放出阻害剤を用いて動物実験を行う。
|