研究課題/領域番号 |
23K16630
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
華井 明子 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 特別研究員 (60826220)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 化学療法誘発性末梢神経障害 / 運動 / がん / 支持療法 / デジタルバイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
CIPNに対し、身体活動の評価・維持・向上を含めるセルフアセスメント・セルフマネ ージメントをデジタルバイオマーカーを用いたセルフアセ スメント・セルフマネージメントにより、がん患者のウェルビーイングを維持・向上させるこ とを目標に、観察研究および介入研究を行い「デジタルバイオマーカーに基づく神経障害モデルの導入が、CIPN の軽減に寄与するかどうか」を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、がんサバイバーの就労時の苦痛と化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の影響に焦点を当てた。CIPNを持つがんサバイバーへの運動療法の効果を特定するため、系統的レビューおよびネットワークメタアナリシス(NMA)を実施し、2019年のレビューと2023年までに公開された無作為化比較試験(RCT)を含めた。12の研究(運動群n=540、対照群n=527)を分析し、すべてが高バイアスリスクと判断された。メタアナリシスではQOLの有意な改善とCIPN症状の改善が示され、NMAはバランスと筋力トレーニングの組み合わせがQOLスコアを有意に改善することを示唆した。運動介入はQOLとCIPN症状の改善に有益である可能性が示された。 歩行分析装置の選定過程で、複数の企業の装置を検討し、実際の病院内のロジスティクスを確認した。その結果、現行の研究プロトコルの遂行が困難であることが判明し、特に患者の移動やデータ収集プロセスに問題があることが認識された。これにより、研究プロトコルの見直しが行われた。 また、がんサバイバーが就労時に感じる苦痛や障害に関する分析では、CIPNの影響に加えて不安の影響が顕著であることが確認された。これらの知見を基に、今後の研究ではCIPNの具体的な影響を詳細に調べることが重要であると考えられる。さらに、AIを活用した解析手法の導入により、より精度の高いデータ解析が期待されている。 これらの結果を踏まえ、歩行分析装置および分析アルゴリズム、アウトカムの設定を見直し、より現実的で実行可能な研究計画へと修正を加えた。しかしながら、これらの修正が行われたため、現在に至るまでデータ収集の開始には至っていない。今後の研究においては、共同研究先とのさらなる交渉が必要であり、AIを活用した解析手法を取り入れることで、より精度の高いデータ解析が可能になることを期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主任研究者の異動により研究費執行や論文投稿、申請等が困難な時期が生じた。病院ロジスティクスおよび測定機器の評価を行なった。歩行測定機器のメーカー側の不具合により何度か検討を重ねることとなり、またロジシティクスを測定装置で計測可能なモダリティに合わせて再考する必要が生じたたため、時間がかかる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在歩行測定機器の会社と連携し、歩行分析に向けた研究プロトコールを開発している。また生体基盤モデルの構築により汎用性の高い歩行モデルの構築および化学療法誘発性末梢神経障害による症状推移との関連を明らかにすることも視野に入れ、解析計画を立てている。2024年度内には横断的な一時計測を実施し、実症状と歩行速度・足底角等のモダリティとの関連を解析していく。
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