研究課題/領域番号 |
23K16643
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
西 啓太 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (60823292)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 脊椎圧迫骨折 / 定量的CT / 有限要素解析 / 再骨折 / 再骨折リスク |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎圧迫骨折は日本では年間100万人以上に発生し、痛みによる著しい活動性の低下を惹起するため、高齢者のQOL低下や死亡率増加の重大な要因となっている。脊椎圧迫骨折の治療には早期リハビリテーション介入が有効とされる一方で、骨折部の圧潰進行や偽関節の発生、他の脊椎骨の骨折の発症などの有害事象が少なくなく、現状ではこれらのリスク予測が困難であるという課題がある。そこで本研究では、医療用CT画像を基にした有限要素解析を応用し、高精度の再骨折リスク評価法を開発することを目的とする。本研究の成果は、安全なリハビリテーションの提供や生活指導につながり、脊椎圧迫骨折患者の良好な転帰に貢献できると考える。
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研究実績の概要 |
脊椎圧迫骨折は最も一般的な骨粗鬆症性骨折であり、高齢者の QOL 低下や死亡率増加の重大な要因となっている。脊椎圧迫骨折の治療には早期リハビリテーション介入が有効とされる一方で、骨折部の圧潰進行や偽関節の発生、他の脊椎骨の骨折の発症などの有害事象の報告もあり、現状ではこれらのリスク予測が困難であることが課題となっている。そこで本研究では、医療用 CT 画像を基にした有限要素解析を応用し、高精度の再骨折リスク評価法を開発することを目的としている。これが実現すれば安全なリハビリテーションや生活指導のためのエビデンスを提供し、多くの脊椎圧迫骨折患者の良好な転帰に大いに貢献できると考える。 今年度は研究代表者の異動に伴い、研究環境の整備を行う必要があった。具体的にはデータの管理方法や解析手法の確立、研究協力施設との連携方法などの整備を行った。年度後半にはある程度研究するための環境が整い、現在はデータの解析を行っている段階である。また、対象数は順調に増加しており、今後は得られたデータをさらに解析し、脊椎圧迫骨折の既往がある症例の椎体骨密度の傾向から解析していく予定である。 脊椎椎体の骨密度の測定は、医療用CTデータから取得した画像データから3Dの脊柱モデルを作成し、ソフトウェアMechanicalFinderによって関心領域の骨密度を計測する手法を確立できている。今後はこの方法を用いて骨折群と非骨折群の間の骨密度における差異を検討していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に伴い、研究環境を再整備する必要があった。2023年度は研究協力施設との研究データの管理方法の確立や、使用する機器の動作確認を実施した。 具体的には、まず、使用するCTデータのセキュリティ対策の確立を行った。また、個人情報を除く研究に必要なデータを抽出し、解析できる手法を確立した。 対象のデータ数としては順調に取得できており、今後研究課題について具体的にデータを解析できると考えている。 本年度は、対象データの椎体における骨密度の解析を行い、骨折群と非骨折群での差異を検討していく予定である。また、骨折群の有限要素モデルを使用し、再骨折予防のための力学的傾向について検討していきたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られたデータから脊椎椎体全体の骨密度を部位ごとに測定し、脊椎圧迫骨折の既往がある群と非骨折群で比較・検討を実施する予定である。これにより、脊椎圧迫骨折による隣接椎体や脊柱全体に及ぼす力学的影響を考察できると考えている。また、2024・2025年度には、この骨密度の検討により得られた結果をもとに脊椎圧迫骨折の有限要素モデルによるシミュレーション解析を実施し、再骨折リスクの軽減を図るための脊椎の力学的傾向について検討を行ってく予定である。これにより、脊椎圧迫骨折患者に対する再骨折予防のための具体的な動作指導のための一つの知見が提供できると考えている。
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