研究課題
若手研究
手の過用による障害は美容師のように長時間連続的に鋏を使用する職業に多く,離職の深刻な原因である.美容師らの鋏動作の分析では,柄の重さを利用してブレードを開き,閉じる動作は母指球筋を主動作筋として利用される.そこで研究代表者らは鋏の反復開閉運動の労作軽減と障害予防には,この作用補助が役立つと着想し,母指の作用を体外動力で補助する鋏を開発した.鋏操作を運動学的に最適化して美容師の作業関連の障害を防ぐには,作業中の筋活動と筋動員パターンの理解を要する.本研究では,手指に最適な支援を電気生理学的な解析を基に推定し,実用化に向け,動力支援鋏の適正な使用方法を資料として提供することを目的とする.