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脳刺激と迷走神経刺激の融合による効果的な筋発揮効率の改善手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K16658
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

横田 裕丈  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20827472)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード経皮的迷走神経刺激 / 経頭蓋直流電流刺激 / 筋発揮効率 / ノルアドレナリン
研究開始時の研究の概要

競技復帰後の再発の要因として,瞬発的な筋発揮効率(RTD)の回復が不十分なまま復帰していることが指摘されている.RTDの改善にtDCSの有効性が一部示されているが,治療反応性に乏しいというtDCSの課題は未解決である.この課題の解決に,脳の可塑性に不可欠なノルアドレナリン濃度を増大させるtVNSが注目されており,tDCSと同時適用することで効果が促通される可能性が示唆されている.本申請では,tDCSの効果を促通するtVNS刺激強度を解明し,tDCSとtVNSの同時適用がRTDに及ぼす効果を検証することで,早期かつ安全な競技復帰につながる革新的リハビリテーション手法の開発を目指す.

研究実績の概要

術後やスポーツ傷害後のリハビリテーションにおいて,社会・競技復帰後の再発が課題となっている.この要因として,最大筋力(MVC)が十分に回復していても,瞬発的な筋発揮効率(RTD)の回復が不十分な状態で復帰していることが指摘されている.RTDの改善には,経頭蓋直流電流刺激(tDCS)の有効性が一部示されているが,治療反応性に乏しいというtDCSの長年の課題は未解決である.この課題の解決に,脳の可塑性に不可欠なノルアドレナリン濃度を増大させる経皮的迷走神経刺激(tVNS)が注目されており,tDCSと同時適用することで効果が促通される可能性が示唆されている.しかし,効果的なtVNS刺激強度や,RTDの向上にも有効であるかは不明である.そこで本申請では,tDCSの効果を促通するtVNS刺激強度を解明し(ステップ1), tDCSとtVNSの同時適用がRTDに及ぼす効果を検証することで(ステップ2),早期かつ安全な社会・競技復帰につながる革新的リハビリテーション手法の開発を目指す.
右利き健常成人17名(女性7名)に対し,安静イス座位にてtVNS刺激装置を左耳に,tDCSの陽極電極を経頭蓋磁気刺激法を用いて同定した背側骨間筋のHot spot,陰極電極を対側眼窩に貼付した.介入条件は①tDCS単独刺激(tVNSは偽刺激),②tDCSとtVNSの同時刺激, ③tDCS,tVNSいずれも偽刺激の3条件とした.刺激様式はNA産生を促すと報告されている3s on / 7s off を用い,偽刺激は迷走神経支配のない耳朶とした.時間要因に対する反復測定二元配置分散分析の結果,主効果,交互作用ともに認められなかった.一方,同時刺激条件のみ,Baselineで皮質脊髄路興奮性(MEP)の低値な被験者ほどPost 0でMEPが増大するという負の相関が認められた(p<0.05).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本実験では,tDCSおよびtVNSの同時刺激条件によりMEPの増大が認められると仮説を立て実験を行った.しかし,結果として条件間で交互作用が認められず,仮説を支持する結果が得られていない状況である.そのため,至適な刺激方法の特定に至っておらず,ステップ1が完了していない状況である.
一方,並行して進めているtVNSがRTDに及ぼす影響に関する研究においては順調に推移しており,RTDの測定手法や今後の同時適用の際の準備は予定通り進行している.

今後の研究の推進方策

現時点で得られている結果は,仮説と異なりtVNSとtDCSの同時適用によってその効果が促通するといった結果が得られていない.この要因として,tDCSの刺激強度やtVNSの刺激強度,および周波数などの刺激パラメータが適切でなかった可能性が示唆される.そのため,今後は刺激パラメータを変え,より効果的にtDCSの効果を促通する刺激方法を確立できるよう実験を継続していく.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Effects of transcutaneous auricular vagus nerve stimulation at left cymba concha on experimental pain as assessed with the nociceptive withdrawal reflex, and correlation with parasympathetic activity2024

    • 著者名/発表者名
      Yokota Hirotake、Edama Mutsuaki、Kawanabe Yurika、Hirabayashi Ryo、Sekikne Chie、Akuzawa Hiroshi、Ishigaki Tomonobu、Otsuru Naofumi、Saito Kei、Kojima Sho、Miyaguchi Shota、Onishi Hideaki
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: 3 号: 10 ページ: 16305-16305

    • DOI

      10.1111/ejn.16305

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 間欠刺激・連続刺激の違いによる経皮的迷走神経刺激(tVNS)が自律神経活動に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      横田裕丈
    • 学会等名
      第76回日本自律神経学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 異なる刺激様式による経皮的迷走神経刺激が自律神経活動に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      齊藤瑞貴
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] tDCSとtVNSの同時適用による皮質脊髄路の興奮性への影響2023

    • 著者名/発表者名
      宮城良汰
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 経皮的迷走神経刺激(tVNS)が筋疲労後の筋発揮効率(RFD)に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      三浦里香
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 低強度の経皮的迷走神経刺激がワーキングメモリーに与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      山波克彰
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 経皮的迷走神経刺激(tVNS)が運動耐容能および心拍回復過程(HRR)に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      望月慎吾
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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