研究課題/領域番号 |
23K16692
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大林 太朗 筑波大学, 体育系, 助教 (60810017)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 日本 / 陸上競技 / 体力 / 技術 / トレーニング / オリンピック / 陸上競技史 / 理論と実践 / 金栗四三 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治・大正時代の日本における陸上競技(ランニング)の体力・技術トレーニングについて、当時のアスリートが遺した一次史料(書誌、手記、写真等)の分析を通して明らかにしようとするものである。全日本陸上競技連盟が発足する1925(大正14)年以前の時代に、彼らは欧米諸国から何を学び、あるいは日本の伝統的な生活様式の中からどのような独自の理論と実践を編み出していたか。いわば歴史の中に埋もれてしまった独創的なトレーニング(鍛錬の方法)を掘り起こし、ひいては我が国における陸上競技(ランニング)が欧米諸国の「模倣・吸収」から自国での「開拓・萌芽」の段階に移行した歴史的経緯の一端を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、明治・大正時代の日本における陸上競技(ランニング)の体力・技術トレーニングについて、当時のアスリートが遺した一次史料(書誌、手記、写真等)の分析を通して明らかにすることを目的としている。全日本陸上競技連盟が発足する1925(大正14)年以前の時代に、彼らは欧米諸国から何を学び、あるいは日本の伝統的な生活様式の中からどのような独自の理論と実践を編み出していたか。いわば歴史の中に埋もれてしまった独創的なトレーニング(鍛錬の方法)を掘り起こし、我が国における陸上競技(ランニング)が欧米諸国の「模倣・吸収」から自国での「開拓・萌芽」の段階に移行していった歴史的経緯の一端を明らかにしようとするものである。以下に一年目(2023年度)の主な実績を示す。 1) 主に国内(秩父宮スポーツ博物館など)で文献史料を収集し、特に1920年のアントワープ五輪で日本選手団の主将を務めた野口源三郎の手記・刊行物『第七回オリムピック陸上競技の印象』(1921年)と『オリムピアへの旅』(1924年)などを分析した。 2) その結果、同大会の日本選手団は、オリンピックへの参加(およびその開催都市への往復移動)の途上で米国内の大学(カリフォルニア大学、シカゴ大学、ニューヨーク市立大学など)を訪問し、当地のアスリートの技術やトレーニング方法を見て学ぶ機会を得ていたことが明らかとなった。また一方で、野口がその理論・実践を日本人の体型や文化的背景に即したかたちで受容することの重要性にも触れていたことも明らかとなった。 3) その主題に関連する研究成果を8月の日本体育・スポーツ・健康学会大会で口頭発表するとともに、国際誌(The International Journal of the History of Sport)への投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記述した史料収集の計画についてはおおむね順調である。また、その過程で予期せず発掘された関連史料(雑誌『陸上競技』(1928年~)や全日本陸上競技連盟の機関誌『陸連時報』(1931年~))についても、本研究課題との関連を意識しながらあわせて分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、国内とともにスイス・ローザンヌにおけるオリンピックスタディセンター(OSC)やフランスにおける史料収集を試み、日本国内には遺っていない文献および写真・映像資料を収集・分析する。その成果については2024年度後半又は2025年度前半の学会で発表し、学術論文としてまとめていく所存である。
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