研究課題/領域番号 |
23K16701
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中村 美幸 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (80961797)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アスリート / メンタルヘルスリテラシー / 援助要請 / スポーツ / 健康教育 / 学校保健 |
研究開始時の研究の概要 |
メンタルヘルス問題を抱えるアスリートが一定数存在することから、アスリートのメンタルヘルス不調に対する予防策を講じる必要がある。メンタルヘルス不調をきたす背景には、メンタルヘルス関連の知識不足により生じる援助要請行動の低さが関係している。これまでの研究から、メンタルヘルスリテラシーを育み援助要請行動を促進させることが、メンタルヘルス不調の予防に繋がる可能性があることが明らかとなってきた。しかし、援助要請行動の促進に繋がる教育方法の開発には至っていない。そこで本研究は、実践的技術を身につけるシミュレーション教育の手法を用いてアスリートのメンタルヘルスリテラシー育成プログラムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
メンタルヘルス不調を抱えるアスリートは約30%も存在し、さらに、13人に1人のアスリートが死を考えた経験を持つことから、アスリートのメンタルヘルス不調を予防することが非常に重要である。メンタルヘルスをきたす背景には、メンタルヘルスに関連する知識不足により生じる援助要請行動(援助を求める行動)の低さが影響している。これまで申請者は、アスリートのメンタルヘルスリテラシー(メンタルヘルスに関する知識や活用力)が援助要請態度(援助を求める態度)と関連することを明らかにした。このことから、メンタルヘルスリテラシーを育むことで援助を要請する「態度」だけではなく、援助を要請する「行動」も促進できる可能性があると考え研究を実施してきた。しかし、援助要請行動の促進に繋がる要因や手法は未だ不明であり、実際にメンタルヘルスリテラシーを育むことがアスリートの援助要請行動の促進に繋がるか否かは不明であり、教育介入の効果を検証するまでには至らなかった。 これらのことから申請者は、アスリートのメンタルヘルスリテラシーと援助要請行動との関連を検証すること(研究1)、次に、アスリートの援助要請行動を促すメンタルヘルスリテラシーの内容や手法を探索すること(研究2)、最後に、実践的技術を身につけることができるシミュレーション型教育を応用して、援助要請行動の促進を目指したメンタルヘルスリテラシー育成プログラムを開発すること(研究3)を目的に研究を進めた。 はじめに、本年度実施予定であった研究1を実施した。その結果、アスリートはメンタルヘルスに関する知識を有していても、援助を要請する行動をとる意思がある者が半数を下回ることが明らかとなった。さらに、メンタルヘルスに関する知識を有していても必ずしも援助を求める行動には繋がらないことが示唆された。 上記の研究成果は、国際誌の投稿に向け準備中であり、公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた研究1に加えて、研究2を実施することができた。加えて、国際誌への投稿準備が整っていることから、本研究は概ね順調に進めることができている。また、メンタルヘルスの知識に関する評価尺度を開発するため、国外の研究者にアポイントを取り、現在、尺度開発も進めている。今後は、成果報告に加えて、予定している研究を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、研究1の研究成果を国際誌に投稿すること。次に、研究2の援助要請行動を促進する要因について、データ解析を行い、研究1と同様に研究成果を報告する。さらに、研究1と2の研究成果を踏まえて、実践的技術を身につけることができるシミュレーション型教育を応用して、援助要請行動の促進を目指したメンタルヘルスリテラシー育成プログラムの草案を作成することを目指す。
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