研究課題/領域番号 |
23K16710
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田上 友季也 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構(BKC), 研究員 (70962463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心拍変動閾値 / 運動強度 / 持久能力 / 心拍変動 / 自律神経 / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
心拍の揺らぎ(心拍変動)の慢性的な低下は、心身の負の状態と関連している。心拍変動を慢性的な低下へ移行させる要因として、ストレスや加齢など様々な要因が挙げられるが、個人の自律的な回復力(レジリエンス)も要因の1つと考えられる。そこで本研究は、心拍変動のレジリエンスに着目して、個人のレジリエンスを左右する要因を身体的特性、生活習慣、生体内ホルモンの反応等の観点から明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、個人特性と心拍変動レジリエンスの関係(研究1)の内容を遂行した。研究1の目的は、一過性のストレス負荷後の心拍変動レジリエンスにかかわる規定因子を明らかにすることであった。レジリエンスを適切に評価するためには心拍変動を個人間で同程度まで低下させる必要があると考え、2023年度は運動負荷の強度の設定を検討した。運動負荷を行う場合に多く採用される最大酸素摂取量(持久能力の評価指標)に対する相対的強度での運動負荷行った場合に、心拍変動が同程度まで低下するかを確認した。その結果、相対的に同じ負荷であるにも関わらず、最大酸素摂取量が高い人(持久能力が高い)ほど心拍変動が低い値を示した。この結果は、最大酸素摂取量の相対的負荷を設定した場合、心拍変動の低下の程度が異なる可能性を示唆しており、運動負荷後のレジリエンスの評価に大きく影響することが考えられるため、異なる手法による検討を進めた。 上記の問題を解決するため、次に運動強度の増加に伴い心拍変動の低下が定常するポイントである心拍変動閾値強度における心拍変動の高さを確認した。その結果、持久能力の高さに関わらず心拍変動閾値強度では同程度まで心拍変動が低下していたことから、心拍変動レジリエンスの評価においては心拍変動閾値強度を基準に運動強度を設定することで、個人間において心拍変動に対して同程度の負荷をかけることができ、その後のレジリエンスの適切な評価につながる重要な知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は心拍変動レジリエンス評価のための適切な運動負荷量の検討を行ったため、研究1で予定していたレジリエンスを評価するまでに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の結果を踏まえて、心拍変動閾値強度を基準にした運動強度設定を採用して、個人特性と心拍変動レジリエンスの関係(研究1)についての検討を引き続き行う予定である。特に持久能力や身体活動量の違いと心拍変動レジリエンスとの関係を中心に検討を進める予定である。また、研究1において心拍変動閾値強度の運動時および運動後のカテコールアミンやオキシトシン分泌についての検討も同時に行うことで、レジリエンスにかかわるメカニズムについても検討するとともに、研究2で計画している「オキシトシン放出が心拍変動レジリエンスに及ぼす影響」の検討につながるように研究を進める予定である。2024年から2025年目においては、研究1で得られた結果をもとに研究2の内容を順次行う予定である。
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