研究課題/領域番号 |
23K16713
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小松 知広 福岡大学, 医学部, 講師 (80838756)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨格筋 / アポリポ蛋白C2 / 骨格筋発現制御 / 脂質代謝 / アポ蛋白C2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、骨格筋における脂質代謝因子アポリポ蛋白C2に注目して、細胞・動物実験で(1)遺伝子改変モデルや網羅的解析等を用いて、アポリポ蛋白C2を介した骨格筋発現における新規機構を解明し、その機構が骨格筋新生・分化・成熟・再生のどの過程に関わるのか、(2)運動がこの新規機構を介して骨格筋発現調節へ与える影響、について明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本年度の研究は、ヒト骨格筋分化の初期に注目して実験検討した。ヒトiPS細胞に骨格筋分化マスター遺伝子MyoD(m-cherry標識を付属)を強制発現させることで、分化開始前から4日間の期間で骨格筋細胞へ分化させる実験を行い、mRNAレベル変動についてRT-PCR解析を実施した。その過程(分化開始前、1日後、2日後、4日後)で、アポリポ蛋白C2 mRNAレベルを検討したところ、分化開始前から4日目まで増加(分化開始前を1とすると1日目:3.9倍、2日目:1.7倍、4日目:4.2倍)を認め、骨格筋分化の初期において2層性の増加変動をすることを示唆した。さらに、同じ骨格筋分化マスター遺伝子MyoDを強制発現したヒトiPS細胞を用いて、骨格筋細胞への分化過程においてiPS細胞の分化開始前、分化開始6時間後、1日後、2日後、4日後を網羅的RNA-sequence解析にて様々な因子の発現を検討し、また顕微鏡で骨格筋細胞への分化を確認した。まず、骨格筋分化マスター因子MyoDおよびその付属標識mCherryが分化誘導開始から4日目まで著明な高値を示していることからmRNAレベルで骨格筋分化誘導がなされ、顕微鏡下での骨格筋細胞への形態変化初期と動態が一致していることを確認した。しかし、アポリポ蛋白C2は、この骨格筋分化初期の期間においてヒトiPS細胞から骨格筋分化させた同じ細胞実験系で検出の定量値が低値となり、RT-PCR法にて検出した変動と比較できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標が、ヒトiPS細胞の骨格筋分化マスター遺伝子の過剰発現モデルを用いて、骨格筋細胞へ分化される過程での初期段階をRT―PCR法や網羅的RNA-sequenceで検討・解析することであったため、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後、骨格筋分化の初期から成熟期までの全般において、ヒトiPS細胞から骨格筋分化における制御メカニズムについて検討していく。さらに、次年度はマウス骨格筋のサテライト細胞(骨格筋に分化する前の幹細胞)にも注目してヒトと異なる種で骨格筋分化成熟に関して実験検討を行う予定である。
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