研究課題/領域番号 |
23K16733
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
尾山 裕介 桐蔭横浜大学, スポーツ科学部, 講師 (90825093)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 転倒予防 / 転倒回避能力 / ステッピングテスト / 姿勢制御 / 反応時間 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の転倒回避動作には「外乱に対する素早い反応」の敏捷性と「反応後の姿勢制御能力」の平衡性の2つの能力が不可欠である。これまで転倒リスクと単一の能力(敏捷性または平衡性)との関連は検討されているものの、2つの能力を一連の動作の中で評価できていない。また、足関節戦略や股関節戦略を用いた評価は数多くあるものの、転倒回避の最終手段であるステッピング戦略を用いた転倒リスクの評価は確立されていない。そこで本研究では、転倒回避動作に必要な敏捷性と平衡性を一連の動作の中で評価した新たなステップテストを開発するとともに転倒リスクの評価法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「外乱に対する素早い反応(敏捷性)」と「反応後の姿勢制御能力(平衡性)」の2つの局面を一連の転倒回避動作として捉え、実用性や安全性の高い転倒回避能力の評価するテスト(反応ステップテスト)を開発し、転倒リスクの評価法を確立することである。具体的には、①反応ステップテストの信頼性および妥当性を検討すること、②各評価変数と転倒経験、転倒関連体力との関連を検討すること、③性・年代ごとの基準値を作成することとした。 2023年度は、反応ステップテストにおける実験プロトコルの確立や評価変数の検討を行うとともに、主に若年者を対象とした測定を実施した。具体的には、反応ステップテストの測定に加えて、これまで行われてきた敏捷性の測定(全身反応時間測定)および平衡性の測定(両脚立ちの重心動揺測定)を行い、反応ステップテストの信頼性と妥当性を検討した。 反応ステップテストは圧力を検知するマットで立位姿勢をとり、光刺激発生後に前方に配置している重心動揺計に素早く一歩を踏み出すステップ動作で移動を行い、10秒間の両脚立ち姿勢を保持するテストとした。光刺激発生からマットを踏み出し足が離地するまでの時間を敏捷性、ステップ後の両脚立ちの重心動揺を平衡性として評価した。 反応ステップテストは全身反応時間測定および両脚立ちの重心動揺測定と同程度の高い信頼性が確認された。一方で、妥当性は反応バランステストと全身反応時間測定および両脚立ちの重心動揺測定の関連をみたものの、敏捷性と平衡性どちらも弱い関連が示された。2024年度以降は若年者の詳細なデータ分析と高齢者のデータ取得、転倒および転倒関連体力との関連を検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プロトコルの確立や評価変数の検討に加え、機器の故障等で時間を要してしまい、進捗状況はやや遅れている。高齢者のデータ取得はできなかったものの、予備実験として若年者のデータは十分に取得することができ、反応ステップテストの信頼性や妥当性を検討することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
若年者のデータをまとめ、学会発表や論文投稿を行う予定である。また、高齢者のデータを取得し、若年者同様、反応ステップテストの信頼性と妥当性を検討し、転倒や転倒関連体力との検討を行う予定である。
|