研究課題/領域番号 |
23K16857
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門本 淳一郎 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (10909386)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 可視光通信 / プロセッサ / センシング / 組み込みシステム / 低消費電力 |
研究開始時の研究の概要 |
可視光を用いて無線通信をおこなう微小プロセッサチップを開発する。シリコンチップ上に形成されたフォトダイオードとチップ上部に積層実装されたマイクロLEDを活用し、外部のデバイスと通信をおこなう。情報提示やセンシングを行う小型デバイス、あるいは無線ID タグとしての応用が可能であり、可視光を利用するため屋内・屋外の照明機器やモバイルデバイスと容易に連携できる。Society 5.0実現のための基盤技術を確立する。
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研究実績の概要 |
本課題では可視光を用いて無線通信をおこなう微小プロセッサチップを開発する。これは情報提示やセンシングを行う小型デバイス、あるいは無線IDタグとしての応用が可能である。可視光通信プロセッサチップにおける、適切な送受信回路トポロジや全体システムアーキテクチャについて検討を深め、実測を通してその性能を評価する。本年度は主に、(1)可視光送信回路の研究開発、(2)可視光受信回路の研究開発に取り組んだ。 可視光送信回路に関して、シミュレーションによって基本的な特性を調査するとともに、特性評価用テストチップの製造をおこなった。まず、複数の変調方式、ドライバ回路方式について検討するとともに、通信に用いるマイクロLEDの選定をおこなった。こうして決定した送信回路についてCMOS製造プロセスを想定した回路シミュレーションをおこない、その結果を元にテストチップの試作をおこなった。次年度以降このテストチップを用いて、送信ドライバの構成と転送速度の関係や、送信電力と通信距離の関係、LED個数と通信距離の関係について調査を進める予定である。 また、可視光受信回路についても、シミュレーションとプロトタイプによる検討を進めた。基本的な回路トポロジを策定し、CMOS製造プロセスを想定した回路シミュレーションをおこなった。また、利用するフォトダイオードやそのCMOSチップ上への搭載方式について検討し、具体的な製造加工プロセスを考案した。フォトダイオードの混載を検証するためのテストチップについても製造を完了した。次年度以降に、これを用いてCMOSチップ上へのフォトダイオードと受信回路の搭載可否について詳細な評価を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時の当該年度における主な目標は、可視光送信回路と受信回路のそれぞれについて基本的な構成を策定することであった。 当該年度は可視光送信回路に関して、回路シミュレーションによる検討を進め、送信回路の基本設計を策定することができた。また、テストチップを設計、製造し、次年度以降の各種性能評価への道筋をつけることができた。 また、可視光受信回路についても基本構成や利用するフォトダイオード、その実装手法を策定することができ、その検証のためのテストチップを設計、製造することができた。 ほぼ研究計画通りに検討が進み、テストチップを試作できたことから、期待通り研究が進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の課題は、(1)送信回路の研究開発、(2)受信回路の研究開発、(3)システムアーキテクチャの検討である。本年度における検討結果も踏まえ、シミュレーションとテストチップの実測評価を通じて送信回路と受信回路の最適化を進める。また、その結果を元に、汎用プロセッサやインタフェース回路を含めた全体アーキテクチャの検討を進める。最終年度におけるプロセッサシステムの設計開発に必要とされる知見を十分集積することが次年度の目標である。
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