研究課題/領域番号 |
23K16885
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中村 周平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (00824038)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 連立代数方程式問題 / Crossbred アルゴリズム / XL アルゴリズム / 耐量子計算機暗号 / 代数的攻撃 |
研究開始時の研究の概要 |
インターネット等で利用される公開鍵暗号は, 攻撃者が秘匿な情報を得ようとした際に困難な数学問題を解くよう設計することで情報の取得の困難性を提供している. しかしながら, 現在利用されている公開鍵暗号の数学問題は大規模な量子計算機の実現により解くことが可能となるため, 新しい数学問題を基にした耐量子計算機暗号を開発することは重要な課題である. 連立代数方程式問題を解くことを利用した代数的攻撃はこれまでにいくつかの耐量子計算機暗号の候補を破ってきており, この攻撃の効率性を評価することは安全性を議論する上で重要となる. 本研究課題ではこの代数的攻撃の計算量を見積もる評価指標について調べる.
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研究実績の概要 |
2023年度は, 連立代数方程式問題に関連して以下の研究を行った. (1) 研究課題初年度ということから連立代数方程式問題に対する求解アルゴリズムに関する調査研究を行なった. 特に, 連立代数方程式問題の計算量評価をするソフトウェアとしてMQEstimator が知られており, 基盤となる論文をもとに, 各種の求解アルゴリズムの計算量評価に関して広く調査を行なった. (2) 連立代数方程式問題の求解アルゴリズムで, 代数的手法を用いたものとしてCrossbred アルゴリズムが知られているが, この計算量評価については明らかでない部分がある. 特に, Crossbredアルゴリズムはいくつかのパラメータの下に動作するが, 実際にどのパラメータにおいてアルゴリズムが動くかは不明である. 本年度の研究では, アルゴリズムで利用可能なパラメータを検出する手法を与えることができた. また, 研究成果となる論文はIACR e-print archive において発表された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究課題初年度ということもあり, 関連研究の調査が中心となることを予定していたが, 研究課題の対象となるアルゴリズムの解析において具体的な成果が得られた. このため, 当初の研究計画よりやや速く進んでいるものと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に進めた連立代数方程式問題のCrossbredアルゴリズムの研究について関連課題を調査し, 課題等の整理を行う. また, 別の求解アルゴリズムにも着手し, 広範囲で研究課題を進めていくことを予定している.
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