研究課題/領域番号 |
23K16893
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
野村 政宗 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90967259)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 数値人体モデル / 高周波電磁界解析 / 辺要素有限要素 / 並列計算 / 領域分割法 / 準ミリ波帯域 / 準ミリ波帯 / ADVENTURE |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、5G環境下における人体曝露を想定した準ミリ波帯域の有限要素法による高周波電磁界解析手法の高精度化と高速化の実現を目標にする。本高周波電磁界解析における問題点は、30GHz~3GHzという高周波を扱うので、解析モデルも大規模、また、領域分割法は、高周波になるほど収束性が悪くなり、実用的な計算時間内で解けないことである。なので、ADVENTURE_Fullwaveの領域分割法に、残差ノルムの反動を抑えるスムージング、反復回数を削減するブロックIC前処理を導入する。また、ハイブリッド並列化の導入、スムージング最適化のための機械学習を取り入れることで、収束性の改善と高精度化を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は、本研究遂行者が所属している秋田高専に人体の電磁界計算に十分な計算機環境がなかったので、並列計算機環境の構築を行った。本研究で構築した並列計算機は1ノード16並列@4.5GHz、64GBを4台繋げたものとなっており、公開鍵認証の設定など初歩的な並列計算システムの構築を行った。また、本研究では、開発コードとして領域分割有限要素解析プラットフォームであるADVENTURE_SYSTEMのADVENTURE_FullWaveを構築した並列計算機に適用するためのシステム構築を行った。構築した並列計算機をもとに、電磁界における人体解析の第一歩目として、簡易的なモノポールアンテナの解析を行い、適切に並列計算が行えることを確認した。また、本研究遂行者は、今までは低周波領域の電磁界に関する人体解析を行っており、高周波電磁界の人体解析、特に節点要素ではなく、辺要素で考える有限要素法については、見識が薄かったので、文献などを調査した。結果、高周波電磁界の支配方程式から導かれる弱形式、有限要素方程式を理解でき、非物理なスプリアス解を抑圧する辺要素有限要素法の原理を理解することができた。また、ADVENTURE_FullWave自体も初めてつかうコード体系であったので詳細な中身の解析も行い、本研究でコードの開発をすべき箇所において一定のめぼしをつけることができた。このように、一年目は本研究を加速させるための初歩的な並列計算機環境の構築、並列電磁界有限要素解析技術の知識の取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展していると考えている。研究計画通り、並列計算機環境を構築、ADVENTURE_FullWaveへの適用も完了し、並列計算機上でのサンプルデータのテストも正常に行うことができた。また、ADVENTURE_FullWaveのコード体系も、本コードの開発者で、研究協力者の助言を聞きながら、詳細について理解し、本研究におけるコードの開発箇所のだいたいの目星を付けることができ、5年にわたる研究の第一歩目として、なにも障害がなく研究計画通り、遂行することができていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の2年目では、構築した並列計算機における人体モデルを用いた高周波電磁界解析を行っていく。もし、構築した並列計算機上で計算時間・メモリ容量などで人体モデルが解けない場合は、本研究費でノードの増設を行う。また、ノードの増設を行っている間は、人体モデルの一部(トルソーモデル)などを用いて、小さいモデルで数値計算を行う。続いて、本研究費を用いて、並列計算機のファイルサーバの購入、解析結果用のPCの購入も行う。人体モデルの解析を行うことができたら、徐々に解析周波数を大きくしていき、要素数、メモリ容量、計算時間がどのように変化するかパラメータスタディーを行っていく。また、領域分割法の部分における収束性改善の検討も行っていく。まだ初歩的な段階ではあるが、可能であれば電子情報通信学会の研究会や他の学会において途中経過を発表していく予定である。
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