研究課題
若手研究
音響信号処理の分野において、2つの信号間の時間差推定の技術は、様々な応用に繋がる重要な要素技術である。信号間時間差推定の問題は、一般的に相互相関関数と呼ばれる関数のピーク検出問題に帰着され、そのアルゴリズムも既に洗練されたものが考案されているが、依然として多数・長時間の信号の時間差推定に対しては計算速度が実用的に十分ではない。この課題に対し本研究では、信号を敢えて低ビットに量子化し、相互相関関数の計算に必要なスカラー乗算をビット演算に置き換える高速化手法を提案すると同時に、その手法が単なるヒューリスティクスではなく、理論的に正当性が保証されたものであることを解明する新たな数学的定理を証明する。