研究課題/領域番号 |
23K16914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤田 倫弘 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 特別研究員 (10962582)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 集中度推定 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
人間が行う集中度推定と同じように,人を支援するシステムにおいても非接触かつ動的に人の集中度が推定できれば,集中した人を邪魔しないように振る舞うことが可能となる.そのため,本研究は顔の情報が十分に得られない行動に対しての集中度の推定を行う.屋内の集中力を要する行動での3次元及び2次元骨格系列やRGB画像列などのデータを収集し,集中度をアノテーションすることによりデータセットを構築する.そして深層学習ベースの推定モデルを用いることで非接触かつ動的に人の集中度を推定することが可能な集中度推定法の構築に取り組む.
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研究実績の概要 |
本研究では,屋内の集中力を要する行動において,行動中の3次元及び2次元骨格座標系列やRGB画像列などのデータを収集し,それらのデータを深層学習ベースの推定モデルで処理することで,人の行動を邪魔しない支援に必要となる非接触かつ動的に人の集中度を推定することが可能な集中度推定法の構築を目指している. 今年度は集中度推定用のデータセット構築へ向けた準備と予備実験を行った.まずは,開発用の計算機及び集中度の推定に必要となるセンサ類を購入し,集中度推定に必要なデータを取得するために,プロトタイプとなるシステムの構築及びプログラムの開発を行った.次に,それらを用いて3次元骨格座標系列やRGB画像列などの集中度推定に必要となるデータ並びに推定結果の結果評価に用いるための集中度スコアのデータが同時に取得可能であるかの予備実験を行った. 結果として,激しい動きを伴わなければ接触型のウェアラブルセンサによる集中度スコアが3次元骨格系列やRGB画像と同時に取得可能であることを確認した.加えて,人の行動を邪魔しない支援により即した集中度の推定を行うために,集中度の評価についての再検討を行った.具体的には,行動している人物が自身の主観的な集中度をスコア付けすることで得られた評価基準を用いることとし,実験協力者の主観的集中度が入力可能になるようにプログラムを実装した.接触型のウェアラブルセンサについては,スコア付けした主観的集中度が客観的な集中度と相関があるかを調べるために用いる予定である. 3次元骨格座標系列を用いて人への状態推定を行う本研究に関連した内容として,3次元骨格座標系列を用いた人の姿勢予測について,国際会議で1件,国内会議で2件の発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時には,非接触で集中度を推定するために,人の行動を見た第三者によるアノテーション付けされたスコアを基準として集中度を評価することを検討していた.しかし,実際には集中度のスコア評価は難しく,集中度自体の定義も人によってあいまいである.そのため,第三者によるアノテーションでは集中度の定義にばらつきが生じ,正確な評価ができない可能性があることがわかった.またウェアラブルデバイスによる集中度スコアにおいても,行動する人物の動きによってデバイスの計測部がずれてしまい正確に計測できない場合があった. 本研究課題における集中度推定の応用先はロボット等における人の行動を邪魔しない支援である.そのため,対象となる人物が集中していると感じているかどうかが重要と考えられる.そこで,集中度の評価方法を再検討し,行動している人物自身の主観的集中度を推定対象のスコアとするよう変更を加えた.そのため,当初の計画にはなかったシステムの変更や集中度の評価方法の再検討に時間が必要となった. また,所属研究機関からの離職に伴い,年度末での実験道具の購入や実験協力者の募集ができなかったことも一因として挙げられる. したがって,上記の理由により,計画よりもやや遅延が生じている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方針について,進捗状況において述べた集中度評価の再検討を踏まえ,実験協力者自身による主観的な集中度スコアを評価基準とする非接触集中度推定用のデータセットを構築する予定である.なお,集中度が計測可能なウェアラブルデバイスは,実験協力者の主観的集中度が客観的なスコアと相関があるかを調べるために用いる予定である. データセット構築用のプログラムはほぼ完成しているため,実験室へのデータセット撮影の機材を配置が完了した後に,実験用の道具を用いて撮影を開始する.データセット構築後には深層学習ベースの集中度推定モデルの構築に取り組む.
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