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雑談対話システムにおけるリスクテイクな発話戦略の受容性推定モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K16923
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
研究機関電気通信大学

研究代表者

宮本 友樹  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (80963529)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードヒューマンエージェントインタラクション / ヒューマンロボットインタラクション / 対話システム / 対話におけるリスクテイク / 雑談対話システム / 受容性
研究開始時の研究の概要

近年,対話システムの研究・開発が盛んである.本研究の代表者は,これまでの研究において,リスクテイクな発話戦略(冗談,褒めなど)によってユーザと心理的に近づきたいという意図・欲求を示す雑談対話システムの有用性を示した.しかし,従来手法では発話戦略の受容性を推定できず,ユーザの意図・欲求の考慮が難しい.そこで本研究では,対話システムがユーザと意図・欲求を理解し合うことによる関係性の深化を目的とし,リスクテイクな発話戦略の受容性推定モデルを構築する.本研究により,リスクテイクな発話戦略のリターンを最大限に発揮する対話が実現でき,対話システムによる独りよがりな対話が改善される.

研究実績の概要

2023年度は以下の研究を実施した.
(1)攻撃的な冗談を発話する対話エージェントと丁寧な発話戦略を発話する対話エージェントを心理実験によって主観評価し,その受容性を明らかにした.さらに「機械に対して帰属しづらい言動」を雑談におけるリスク要因として新たに捉え,そのリスクを軽減するための手法として,ユーザとの物理的接触を理由付けとして対話エージェントが仮想的に人間と同等の感性を獲得するインタラクションデザインを提案し,心理実験による受容性の効果検証を行った.これらの結果についてHAIシンポジウム2024での発表を行った.いずれの研究成果についても学術論文として投稿準備中である.また,準備期間に収集していた,リスクテイクな発話戦略の一つであるコンプリメント(褒め)の雑談対話における心理評価データを対象に,コンプリメントの構造やユーザ特性の観点からコンプリメントの心理効果を明らかにし,その成果が人工知能学会論文誌に掲載された.
(2)リスクテイクな発話戦略の受容性推定モデルを予備的に検討した.具体的には,従来モデルを拡張する形で,対話時間が長くなるほど対話システムの発話候補のリスクを低く見積もるモデルを構築した.これにより,ユーザとの対話継続時間に応じてリスクの見積もり方を適応的に変化させることが可能となる.また,ChatGPTを用いて,リスクテイクな対話例を生成する方法を検討した.プロンプトエンジニアリングにより,特定のシチュエーションの下で相手を冗談でからかうように雑談を進めていく対話例を生成した.さらに,受容性推定の結果に基づいてリスクテイクな発話戦略を選択するGPT-4ベースの雑談対話システムを予備的に開発した.
(3)探索的な検討として,リスクテイクな発話戦略を含む対話システムによる言語的配慮戦略の印象について日米比較調査を行い,その結果が学術雑誌(知能と情報)に掲載された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大規模言語モデルの台頭により,対話データの収集など研究の進め方の一部について再検討が必要になったものの,おおむね順調に研究は進んでいる.

今後の研究の推進方策

次年度以降は,当初の研究計画を基に以下を推進していく.ただし,ChatGPT等の大規模言語モデル系のサービスの普及を考慮した柔軟な検討は必須となる.
・2023年度に実施した被験者実験を継続し,リスクテイクな発話戦略を伴う人と対話システムの対話データを引き続き収集する.具体的には,テキスト対話システムやロボットを用いた音声対話システムと人間が特定の話題やシチュエーションにおいて対話を行い,その心理効果を検証する.
・大規模言語モデル系のサービスに対する知識や利用頻度がリスクテイクな発話戦略の受容性に影響するという作業仮説を立て,心理実験によって検証する.また,当初の計画の通り,ユーザのパーソナリティ特性(性格特性)とリスクテイクな発話戦略の受容性の関係について分析する.
・以上の研究から得られるデータや知見を基に,リスクテイクな発話戦略の受容性推定モデルを構築する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 対話型擬人化エージェントの受容性に関する日米比較調査2023

    • 著者名/発表者名
      MIYAMOTO Tomoki、YAMAMOTO Ryutaro、KATAGAMI Daisuke
    • 雑誌名

      知能と情報

      巻: 35 号: 3 ページ: 731-735

    • DOI

      10.3156/jsoft.35.3_731

    • ISSN
      1347-7986, 1881-7203
    • 年月日
      2023-08-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 肯定的評価語と根拠に基づいた対話エージェン トよるコンプリメント表現 の効果2023

    • 著者名/発表者名
      Iwashita Motoki、Miyamoto Tomoki、Katagami Daisuke
    • 雑誌名

      人工知能学会論文誌

      巻: 38 号: 3 ページ: G-M35_1-15

    • DOI

      10.1527/tjsai.38-3_G-M35

    • ISSN
      1346-0714, 1346-8030
    • 年月日
      2023-05-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Agent adopterの存在を考慮したHAIモデルの実験的検討 -対話エージェントとの協力型Escape roomを題材とした責任帰属の分析-2024

    • 著者名/発表者名
      渡邉英一郎, 宮本友樹, 内海彰
    • 学会等名
      HAIシンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 物理的接触を理由付けとした仮想的な感性獲得手法の効果の検討 - 対話エージェントにおける「現実とのギャップ」を埋めるインタラクションデザイン -2024

    • 著者名/発表者名
      天野大地, 宮本友樹, 内海彰
    • 学会等名
      HAIシンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 情緒生起手法の好感度推定に基づき言語的配慮を行う対話システムの評価2024

    • 著者名/発表者名
      平野裕人, 宮本友樹, 片上大輔
    • 学会等名
      HAIシンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アンドロイドを用いた言語的配慮を行う音声対話システムとスピーチレベルシフトの効果 (2) - ユーザの性格特性の影響2024

    • 著者名/発表者名
      太田泰介, 宮本友樹, 片上大輔
    • 学会等名
      HAIシンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Agent adopterの存在を考慮したインタラクションモデルの提案2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉英一郎, 宮本友樹, 内海彰
    • 学会等名
      第35回人間共生システム研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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