研究課題/領域番号 |
23K16926
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 樹美 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90911579)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 発散的思考 / 自動評価 / 代替用途課題 |
研究開始時の研究の概要 |
近年注目の高まる創造的思考のひとつに、物事や課題に対して種々様々な解決法を生み出す力である発散的思考がある。発散的思考を評価する主な手法として、代替用途タスクAUT (Alternative Uses Test)があるが、AUTの回答を数値化するためには複数人の熟練者により各回答を熟考する必要があり、時間的・金銭的コストが大きいという問題があった。本研究課題では、AUTの回答を用いた発散的思考の自動評価手法の確立を目指す。言語処理等を用いた発散的思考評価の自動化手法を検討するためには、AUTの回答データが多く必要である。期間中に、実験を通したデータ収集と、評価手法の検討を並行して進めていく。
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研究実績の概要 |
本年度は、[目的1] 代替用途課題(AUT)の日本語回答データベースの作成を目指し、データ収集のために複数回の実験を実施した。特に参加者それぞれに16個の題目に回答してもらいデータを収集した事例は類を見ないもので、AUTの難易度調整や回答の自動評価手法を検討するために有用なデータを得ることができた。この実験で得たデータを広く利用できる形で公開できるか否かについては、いくつかの観点で実際の回答を精査する必要があり、検討を進めている。なお、消耗品費には実験参加者への謝品が、人件費には得られたAUTの回答を従来手法(人手での評価)で評価・分類する際に協力していただいた評価者への人件費が含まれている。 加えて、実験により得たデータを用いて [目的2] AUTの回答を用いた発散的思考の自動評価指標の提案を目指した自動評価のプロトタイプを作成した。プロトタイプについては、国際会議等で発表し、研究者や専門家との意見交換を行った。当初より早い段階でデータを一定量収集できたことで、当該年度中に評価指標に関する議論を深めることができ、次年度に向けた知見を得ることができた。自動評価の際に使用する自然言語処理の手法の違いによる評価結果の差の検討や、指標の算出方法だけでなく、AUT以外の発散的思考評価やパーソナリティ評価との関係性等、検討する価値のあるコメントを多く頂いた。 以上の研究成果は、主に査読付き国際会議議事録2件、国内研究会1件として公表された。翌年度も引き続き、[目的1] 代替用途課題(AUT)の日本語回答データベースの作成で得られたデータを用いて、[目的2] AUTの回答を用いた発散的思考の自動評価指標の提案の達成に向けた取り組みを行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定と遜色ない進展である。[目的2] AUTの回答を用いた発散的思考の自動評価指標を進めるにあたり、順調にプロトタイプを作成し議論することができた点は、当初予定より順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度である。今後は、[目的2] AUTの回答を用いた発散的思考の自動評価指標の提案の達成を目指し、今年度得られた知見を反映し、提案手法を確立、学術論文として投稿・公表を目指す。[目的2]に取り組む中でさらにデータが必要であると判断された場合は、[目的1] 代替用途課題(AUT)の日本語回答データベースの作成に立ち戻り、さらに実験を実施する可能性もある。また、[目的1]と併せて実施を目指しているAUTの日本語回答データベースの公開について、「研究実績の概要」に記載の通り懸念点を解消できるかについての検討も進めていきたい。
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