研究課題/領域番号 |
23K16947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
亀甲 博貴 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (50827524)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自然言語処理 / 自然言語生成 / 言語モデル / ゲームAI / マルチモーダル |
研究開始時の研究の概要 |
非言語情報を参照して自然言語生成を行うモデルの多くは,それらの課題に特化したモデルが構築されており,また与えられた情報をそのまま説明する文の生成を目標としているものが多い.人間の発話と比較すると,人間はより複雑な思考のもと発話していることが多く,また多様な形態の情報について言及している.本研究では,このような人間の発話により近い自然言語生成の実現を目指し,状態の変化への言及に着目した自然言語生成を目標とした言語モデルの構築方法を提案する.対象に依存する部分と対象に依存せず共通化できる部分とを切り分けることで,深い理解に基づく言語モデルの効率的な構築を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は非言語情報を参照して対応する自然言語文を生成する自然言語生成課題に取り組む.特に,与えられた情報をそのまま出力するのではなく,人間が複雑な思考のもと発話しているのと同様に観測した状態から別の状態への変化を推測しながら文生成を行うモデルの実現を目指している.本研究では将棋の解説文生成を題材として,未来の予測や反実仮想の言及を実現するモデルの構築を目指す. 本年度は,与えられた局面に対して将棋AIの探索結果をもとに言及すべき局面集合を推定し,それらに対して解説文を生成するモデルを試作した.解説文中に現れる指し手や局面は,現在局面を含む実際に現れた局面や最善手を指した未来の実現しうる局面への言及に加え,実際には現れないだろうが観戦者が気になる指し手への言及も含まれる.これらは観戦者の棋力によっては一見良さそうに見えるが実際には良くない手や,過去の局面で実現はしなかったが有望だと思われる指し手やそこから続く手順への言及を含み,これらは最善手を求めるためのAIプレイヤの出力のみからでは推測が難しい.このような指し手について,実際の人の解説文中に現れる指し手集合を再現するようなモデルを構築した. また,このモデルを用いて予測した解説すべき指し手集合に対して,自然な解説文を生成する言語モデルを提案し構築した.特に近年の事前学習済みの大規模言語モデルをベースとして,指し手に対するコピー機構を備えた文生成モデル,人間の解説文をもとに学習を行うことで構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,文生成モデルの試作まで完了している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は提案モデルの各モジュールについてその有用性をそれぞれ検証する予定である.また実際の対局においてリアルタイムに解説を提供するシステムの構築方法を検討する.
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