研究課題/領域番号 |
23K16971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 正浩 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80868638)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自動運転 / 車載カメラ / 高速ビジョン / アテンショナルイメージング / 車載駆動光学系 |
研究開始時の研究の概要 |
車両に搭載したカメラを用いた周辺環境認識は,自動運転におけるキーテクノロジーである.車載カメラによって周辺環境を隈なく計測できることが望ましいが,従来用いられている固定光学系では視野と分解能のトレードオフや被写界深度の壁に阻まれ,広域・高精細を両立する計測が困難であった.本研究ではこの課題を克服するため,高速駆動光学系と高速周辺環境認識技術を融合し,走行に影響を与える重要箇所の拡大注視を可能とするアテンショナルイメージング技術の創出を目的とする.本研究により,広域に渡って近傍から遠方までの高精細なイメージングを可能とし,自動運転の高度化に資する技術の創出に挑む.
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研究実績の概要 |
本研究課題では、従来の固定車載ビジョンシステムでは画角と分解能のトレードオフに起因して困難であったさまざまなタスクに対して、駆動ミラー系と駆動レンズ系を融合した光学系を構築し、AIによる注目領域抽出と高速トラッキングを核としたアルゴリズム群からなる「アテンショナルイメージング技術」を創出することにより、広域・高精細を両立する車載ビジョンシステムの構築を目指している。昨年度は主に、1)広域高精細を両立するアクティブビジョンシステムのプロトタイプ構築、2) 路面高速ビジョンを援用した車載カメラの自動キャリブレーション手法の提案を実施した。1) 広域高精細を両立するアクティブビジョンシステムのプロトタイプ構築では、選定した2軸のガルバノミラーと電動ズームレンズによって光学系のプロトタイプを作成し、カーブミラーを拡大注視の対象としたシステムを構築することで、走行中にカーブミラー越しを通して死角領域を高精細にイメージングできることを示した。本成果をまとめて、ロボット分野の国際会議IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsにおいて発表した。また、2)路面高速ビジョンを援用した車載カメラの自動キャリブレーション手法の提案では、路面に向けて設置した高速ビジョンを補助センサとして用いることで、車載カメラの車両に対する姿勢を推定する手法を提案した。この手法は任意の車載カメラに対して適用可能な手法であり、1)で提案したアクティブビジョンシステムの性能向上に資する基礎技術である。本成果についても、ロボット分野の論文誌IEEE Robotics and Automation Lettersにおいて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
光学系設計の結果、既存の機器を用いて効率的に実験が実施できることがわかったため、ハード面での実装が想定よりも進展した。また、ソフト面においてもPOCの実現を優先して実施したため、研究初年度からロボット分野におけるトップカンファレンスへ採択されるなど、本課題に関する研究成果が高く評価されていることから、当初の計画以上に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに構築した高速駆動系を有する広域高精細ビジョンを用いて、周辺環境からの注目領域抽出手法を提案する。また、駆動光学系内部の視野に対して高速トラッキングを適用することにより、より安定した認識を実現する。さらに、前述のトラッキング情報を活かした制御コントローラを設計することで、システムとしての完成度を高め、より高い実用性を示すことを目標とする。
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