研究課題/領域番号 |
23K16979
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小出 健司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70870682)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 知能ロボット / ヒューマンマシンインタフェース / センサ融合 / 人物行動計測 / ロボット行動計画 / 負荷計測・モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
ロボットが快適に人間と一緒に行動するには,人間同士が自然と行うような相手の意図・状態に応じた適切な行動計画が必要となる.本研究では,生体情報に基づく精神的負荷指標を導入することで人と行動するロボットが与える影響を定量的にモデリングし,適度な距離・速度感を保ちつつ自然かつ快適に人と行動できる付き添いロボットを実現する.
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研究実績の概要 |
本研究では,生体情報に基づく人の心理負荷量モデリングを通した付き添いロボットの研究開発を行う.今年度は以下の研究を行った. まず,ロボットの自律行動に必要な自己位置推定と周囲環境認識について,三次元LiDARとIMUを組み合わせた頑強な状態推定手法を開発した.開発手法では,三次元LiDARから得られる点群データと,IMUから得られる慣性データを,時間幅を持ってグラフ表現上で効率的に統合することで,ロボット周囲に移動物体や未知物体がある状況でも安定した自己位置推定が可能となる.この提案手法に関しては変化量の大きい屋内外において長時間の精度評価及び安定性評価を行っており,従来手法と比較して極めて高度な位置推定が可能であることを確認した.また,ロボットの移動開始時や,異常停止状態からの復帰時に必要となる大域姿勢推定に関して,効率的な枝刈り探索による効率的な姿勢推定手法を開発した.これに関しても大規模な屋内外環境においての性能評価を行い,極めて短時間(100ミリ秒 ~ 2000ミリ秒)でかつ高い再現性を持って,三次元地図上でのセンサ姿勢を同定することができることを確認した.これらの手法はGPUによる並列処理を前提としているが,NVIDIA Jetsonなどの組み込みGPU機器で効率的に処理可能であることを確認した.また,心理負荷量モデリングに向けて,人の心理負荷を反映する計測すべき特徴(心拍・発汗・脈拍)の検討と予備計測実験を行った.また,これらの特徴の解析に必要となるモデリング手法の調査検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の項目を実施した. ・頑強な自己位置推定・周囲環境認識手法を開発した. ・心理負荷モデリングに必要となる特徴量の調査と選定を行った. 事前の計画通り必要となる基礎機能の開発に取り組み,付き添いロボットの実現に必要となる頑強さを実現した.
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今後の研究の推進方策 |
以下の項目について研究を進める. まず付き添いに必要な基礎機能群の中の特定人物検出・識別機能の開発に取り組む.三次元LiDARとカメラを組み合わせることでロボットの周囲の人の安定した検出と三次元位置推定を実現し,そのうえで他の人物と対象人物を識別するための特徴学習機能を実装する.可能な限り早い段階で付き添い計測実験を行うための自律追従システムを構築する. また,前年度の研究を進める形で,申請者自身を対象とした予備実験を通して心理負荷解析モデルの検討に必要な生体情報データの収集を行い,予備的な心理負荷量予測モデルの構築を行う.
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