• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

生体膜の両親媒効果を取り込んだドッキングシミュレーション手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K16989
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

森田 陸離  筑波大学, 計算科学研究センター, 研究員 (90896268)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワードドッキングシミュレーション / 膜タンパク質 / 創薬 / 細胞膜 / 分子動力学
研究開始時の研究の概要

膜タンパク質は物質の輸送やシグナルの受容を行うことで様々な生命現象に関わる。その一方で膜タンパク質の突然変異体はがんなどの疾患の原因となりうる。そのため膜タンパク質は創薬における重要なターゲットである。ドッキングシミュレーションと呼ばれる手法を用いることでコンピューター上で薬の候補となる化合物の結合性を効率よく評価することができる。しかし、既存の手法では細胞膜の存在を考慮することが出来ず、正しい結果が得られないという問題があった。本研究では化合物と細胞膜の相互作用を取り込んだ計算手法を開発し、幅広い種類の化合物と膜タンパク質をシミュレーション可能にすることを目指す。

研究実績の概要

本研究は、膜タンパク質に対するドッキングシミュレーション手法を確立することを目標としている。膜タンパク質は多様な機能を持つことから創薬における重要なターゲットとなっている。しかし、従来のドッキングシミュレーション手法は脂質膜の存在を考慮することができず、適切な評価を行うことができなかった。そこで、本研究では既存のドッキングスコアに対する補正項の提案を行った。分子と生体膜の関係を評価するために、疎水性指標である logP を原子ごとに分割した予測値を用いた。この疎水性指標と脂質膜に対する位置座標をかけ合わせて積算することで、得られたドッキングポーズが適切な位置にあるかを算出した。この手法の効果を検証するために、既知のタンパク質-リガンド複合体構造についてドッキングシミュレーションを実施した。その結果従来法と比較してより正解に近い構造を予測することができた。両親媒性の分子についても、親水性部分は水中に、疎水性部分は脂質膜中に存在する状態が適切であることを評価できた。さらに、特殊な構造や性質を持つ膜タンパク質に対しても適応可能にするために、構造情報を3次元的に評価する方法へと改良を行った。これらにより、従来は正確に評価できなかった膜タンパク質に対するドッキングシミュレーションを実施することが可能になった。現在は、膜タンパク質に対して作用する化合物のスクリーニングを実施しており、有用な化合物を選択でき次第、実験による評価を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膜タンパク質に対するドッキングシミュレーション手法の基本的な部分については実装が完了しており、性能の実証も完了しているため。膜タンパク質に対するスクリーニングへの適用も進めており、実験による評価の準備も整えている。

今後の研究の推進方策

開発した手法を活用して化合物のスクリーニングを進め、実際の膜タンパク質に効果のある化合物を同定し、実験による検証を行う。また、多様な構造や性質を持つ膜タンパク質に対しても適応可能にするために、手法の改良を継続する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Latrunculin resistance mechanism of non‐conventional actin NAP1 uncovered by molecular dynamics simulations2023

    • 著者名/発表者名
      Morita Rikuri、Shigeta Yasuteru、Harada Ryuhei
    • 雑誌名

      Cytoskeleton

      巻: 81 号: 2-3 ページ: 143-150

    • DOI

      10.1002/cm.21798

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pathological mutations promote proteolysis of mitochondrial tRNA-specific 2-thiouridylase 1 (MTU1) via mitochondrial caseinolytic peptidase (CLPP)2023

    • 著者名/発表者名
      Ahmad Raja Norazireen?Raja、Zhang Long-Teng、Morita Rikuri、Tani Haruna、Wu Yong、Chujo Takeshi、Ogawa Akiko、Harada Ryuhei、Shigeta Yasuteru、Tomizawa Kazuhito、Wei Fan-Yan
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 52 号: 3 ページ: 1341-1358

    • DOI

      10.1093/nar/gkad1197

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 高精度な結合エネルギー計算を活用して解明する非従来型アクチンNAP1の薬剤耐性機構2023

    • 著者名/発表者名
      森田陸離、重田育照、原田隆平
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Enhanced conformational sampling based on structural generation by the inverse transformation using principal component analysis2023

    • 著者名/発表者名
      森田陸離、重田育照、原田隆平
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi