研究課題/領域番号 |
23K17016
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
田中 昂文 玉川大学, 工学部, 講師 (30851274)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | プログラミング教育 / デジタル教科書 / 学習ログ / 学習分析 |
研究開始時の研究の概要 |
プログラミング学習において,使用する言語や開発手順等に関する知識学習と,演習による実践は不可欠である.これらの学習効果は,各学習者の学習状況と特徴に影響される.現状では,教員が把握する情報から学習支援を行っているが,多数の学習者に対して適切な支援を行うためには,知識学習と演習における学習者の活動データを収集し,それを活用して支援を実施する必要がある.本研究では,デジタル教科書,プログラミング演習環境,演習課題管理システムから詳細な学習ログを収集し,一元的に蓄積,分析可能な学習基盤を開発する.そのうえで,学習状況や学習過程の特徴を分析し,個々の学習者に適した学習活動を推薦する手法を実現する.
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研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は,プログラミング学習における個々の学習者の知識学習と実践的な演習による学習の過程から特徴を分析し,その学習者に適した学習項目と学習方法を推薦する手法を実現することである.本研究では,知識学習および演習における学習者の活動に関するデータに注目し,これらを収集,分析するための基盤を開発する.また,学習内容の依存関係を反映した学習項目データベースを開発し,これを仲介して知識学習の資料と演習を紐づけすることで,特定の学習項目に対する学習者の学習過程を分析することを可能にする. 研究初年度目では,デジタル教科書システム,演習課題管理システム,演習時の開発環境操作ログ収集用のプラグインをそれぞれ整備することを目指した.初年度終了時点では,デジタル教科書と演習管理システムを実際の授業に導入し,データ収集を実施することができた一方で,開発環境の操作ログ収集については,既存システムとのデータ連携と実践投入がいまだ実施できていない.そのため,演習時のプログラム編集操作をより容易に収集する方法として,演習管理システムに簡易的なコードエディタと実行環境を実装することを検討している.また,基礎プログラミングにおける細粒度な学習項目とそれらの依存関係を定義した. 今後は,各システムから収集される学習ログデータから学習者の特徴を分析する手法について具体的な検討と実装を進めていく予定である.また,学習項目のデータベースについても拡張を進め,単純な文法とその意味だけでなく,簡易的な部品となるプログラム片とその応用や,プログラムの部品化そのものなど,技能に相当する部分について拡張を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタル教科書システムと演習管理システムはすでに実践導入が完了しており,学習項目間の依存関係を定義した学習項目データベースの開発と,両システムの連携も完了している.開発環境の操作ログを収集する方法については遅れが見られるが,代替手段を確保しており,プロトタイプとしては十分に運用が可能と考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,知識学習と演習の学習ログを学習項目データベースを仲介して連携することで,学習項目に対する学習者の学習方法の特徴パターンを抽出する手法を検討する. また,プログラミングにおける技能の習得過程について取り扱えるようにするため,学習項目データベースを拡張する.そのため,基礎プログラミング学習で習得すべき技能の洗い出しと依存関係の定義を進めていく予定である. その後,システムのプロトタイプを用いた短期の実験を実施し,効果と改善すべき課題を明らかにする.
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