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ミミズが土壌表層の放射性セシウムの動態と存在形態に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K17032
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関秋田県立大学

研究代表者

田中 草太  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (50847217)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードミミズ / 放射性セシウム / 土壌団粒 / 存在形態 / 放射性核種
研究開始時の研究の概要

ミミズは、土壌中の有機物分解やフン団粒の形成を通して土壌物理構造の改変し、植物や他の生物の相互作用を介して生態系の物質循環に影響を与える生物である。このミミズの生態系改変者としての働きは、土壌表層に集積した放射性セシウム(RCs)の鉛直移動や生物移行性に影響を与える可能性が高い。しかし、これまでにミミズが土壌中のRCs動態に与える影響を定量的に評価した例はない。本研究では、ミミズがRCsの土壌鉛直分布と存在形態(生物移行性)に与える長期的な影響を実験的に解明する。これにより、土壌中RCsの保持・移行メカニズムの解明や森林生態系におけるRCsの長期的な動態予測への寄与が期待できる。

研究実績の概要

研究初年度となる令和5年度は、8-9月に計4回の現地調査を実施し、複数地点からミミズおよび土壌をサンプリングした。採取した土壌の放射性セシウム(RCs)濃度を定量し、実験に最適なサンプルおよび採集地点を選定した。選定した試料を用いて、ミミズが土壌表層のRCsの動態に与える影響を評価する実験系を構築した。本実験系では、放射線感光性のフィルムを用いたオートラジオグラフィの手法を用いることで、ミミズが土壌表層のRCsの移動に与える影響を可視化することに成功した。この実験系を用いたミミズの培養実験により、培養2週間の短期では、ミミズによる土壌表層のRCsの移動は認められないことを明らかにした。また、実験系に改良を加え、ミミズを長期飼育可能として評価したところ、培養49日後にRCsの一部が下方に移動することが確認された。本研究の結果から、ミミズは長期的には土壌表層のRCsを下方に移動させる能力があることが示唆された。今年度得られた研究成果は、学会発表として公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ミミズによる土壌表層の放射性セシウムの移動を評価する実験系を構築し、ミミズによる土壌表層の放射性セシウムの移動の可視化に成功した。また、次年度予定している存在形態を評価する実験系構築に取り組めたことからも概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今年度得られた結果から、ミミズは土壌表層の放射性セシウム(RCs)を下方移動させることが明らかとなった。この移動を定量評価するため、実験系に充填された土壌を高さごとに採取し、ゲルマニウム半導体検出器により、層別にRCs濃度を定量する。また、ミミズのフン団粒内のRCsの存在形態が経時的に変化するのかを検証するため、フン団粒の培養実験を開始する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ミミズが土壌表層の放射性セシウム分布に与える影響の可視化2024

    • 著者名/発表者名
      田中草太, 伊藤陽日葵, 森下祐樹, 鳥居建男, 塚田祥文
    • 学会等名
      日本生態学会第71回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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