配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究実績の概要 |
本研究では,多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の安全性評価のため, MWCNTの分散剤による物理化学的特性の変化と細胞毒性に与える影響およびその分子メカニズムを調査することを目的とした。これまでMWCNTの分散に広く用いられてきた界面活性剤やタンパク質などの生体内分子に加え, 分散剤としての報告がない低毒性と考えられる低分子化合物を中心に複数の分散剤を試し, MWCNTの安定分散を達成した。これらの分散剤および調製MWCNT溶液について, 本研究では以下の項目について調査した。 1)分散剤の終濃度が0.1%となるように超音波装置で分散されたMWCNT溶液を動的光散乱法で評価したところ, 同一のMWCNT製品でも分散剤を変えることにより物理化学特性 (粒子径, ゼータ電位など) が変化することが明らかになった。 2)MWCNTの調製に用いた分散剤のみを細胞へ曝露し, その細胞影響を評価した。曝露試験にはヒト単球細胞株THP-1から分化誘導したマクロファージを用いた。その結果, いくつかの分散剤で終濃度0.01%において, ミトコンドリア活性の低下と細胞膜損傷といった一般的な細胞毒性とされる現象が確認された。 3)分散剤のみで細胞影響のなかった分散剤を用いてMWCNTを分散し, 分化誘導したTHP-1細胞へ曝露した。24時間後の細胞内貪食量をフローサイトメトリー法を用いて定量し, 使用した分散剤によって細胞内貪食量が変化することを明らかにした。
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