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大気中のガス・粒子状有機化学成分捕集におけるアーティファクト評価とその実大気観測

研究課題

研究課題/領域番号 23K17047
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分63040:環境影響評価関連
研究機関金沢大学

研究代表者

池盛 文数  金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (00773756)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード有機エアロゾル / ガス状有機物 / 有機トレーサー成分 / ガス粒子分配 / アーティファクト評価
研究開始時の研究の概要

大気中の有機化学成分の多くは半揮発性である。これらの大気観測で一般的な手法であるフィルタやガス吸着材捕集法は、捕集中に分解・生成等、様々な影響 (アーティファクト) を受けるためその定量値が大気中濃度を反映せず、それらを用いた評価で大きな誤差を誘発する懸念がある。また、ガス状と粒子状の有機指標成分濃度を計測し、ガス粒子分配を実測することは、有機エアロゾルの生成・変質過程の評価において重要である。本研究では、フィルタやガス吸着材での有機化学成分捕集におけるアーティファクトを評価する。よりアーティファクト影響の小さいガス粒子観測法確立を目指し、実大気観測により有機化学成分のガス粒子分配を評価する。

研究実績の概要

フィルタ捕集によるオフライン観測において、有機指標成分や有害有機成分は、捕集中に様々な影響 (アーティファクト)を受ける。そのため、フィルタ捕集によるオフライン観測により分析・定量した有機化学成分濃度は、大気中の濃度を反映しておらず、指標物質として解析に用いた場合や有害性評価の際に、大きな誤差を誘発し誤った解析結果を導く可能性がある。しかし、国内・国外で行われている有機化学成分観測は、上記のような観測上の問題点についてほとんど議論されず、また多くの場合、ガス状の有機化学成分も計測されていないのが現状である。そこで本研究では、①フィルタやガス吸着材での捕集で起こり得る有機化学成分に対するアーティファクトを評価し、②アーティファクトがより小さい実大気中有機化学成分のガス粒子濃度計測を実施して、それらのガス粒子分配を評価することを目的とする。
2023年度には、100成分以上の有機化学成分の微量分析法を目指し、GC-MS/MSを用いたPAHsやホパン類などの非極性・微極性有機成分分析や、シリル誘導体化GC-MS/MS法による極性有機成分の分析法を開発した。LC-MS/MSによる分析法と合わせて、微量分析に適した機器と分析項目の組み合わせを決定した。総測定成分数は200成分程度となった。
本手法を用いて、テープろ紙による微量分析や、フィルターとポリウレタンフォームで捕集した試料の分析を行い、確立した分析法が大気試料に適用できることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、GC-MS/MSを用いた非極性・微極性有機成分分析や、シリル誘導体化GC-MS/MS法による極性有機成分の分析法を開発できた。
本手法を用いて、テープろ紙による微量分析、フィルターとポリウレタンフォームで捕集した試料分析と分析データを用いたガス粒子分配(非・微極性物質のみ)の計算まで実施できた。
以上のように、分析法の確立から、ガス状物質測定の足掛かりをつけるところまで研究を進めることができていることから、本申請研究は、現時点で概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

2024年度には、予定通り、2023年度に確立した分析法を用いて、石英繊維ろ紙、テフロンろ紙で並行捕集したエアロゾル試料、また、1、3、24時間等異なった時間でテフロンろ紙を用いて並行捕集したエアロゾル試料の分析を行い、捕集ろ紙や捕集時間の違いによる有機化学成分濃度への影響を考察する。観測期間の気象条件 (気温や湿度)や光化学オキシダントなどの酸化物質との関係についても考察し、捕集中のアーティファクトが少ない捕集方法を確立する。
並行して、ガス状有機成分の観測方法開発のために、種々のガス吸着材 (活性炭、ポリウレタンフォーム、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体など) について、有機化学成分の吸着効率、抽出効率などを評価する。捕集時間の違いによる分解の影響を把握するため、1、3、24時間等、異なった時間で並行捕集を行い、結果を比較する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Multiple organic tracer analyses of biomass changes affected by the open burning of rice residues2024

    • 著者名/発表者名
      Kawamura Kyohei、Ikemori Fumikazu、Furuuchi Masami、Hata Mitsuhiko
    • 雑誌名

      Atmospheric Pollution Research

      巻: - 号: 8 ページ: 102153-102153

    • DOI

      10.1016/j.apr.2024.102153

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 人為起源VOCとPM2.5中ニトロ芳香族炭化水素類の昼夜観測2023

    • 著者名/発表者名
      池盛文数,上田真久,長谷川瞳,西村理恵,平松まみ,村上友規,高林 愛,佐藤 圭,茶谷 聡,菅田誠治
    • 学会等名
      第64回 大気環境学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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