研究課題
若手研究
本研究では、深刻な農業被害をもたらす野生ニホンジカを対象に、農作物加害個体の発生メカニズムの解明を試みる。農作物加害個体は生涯のどの段階から農作物に依存し始めるのかを明らかにするため、長期の食性履歴を経時的に保持する大腿骨を成長方向に細断して安定同位体比分析を行い、生涯における農作物依存度の経時変化を復元する。さらに農作物依存傾向に親子関係や生息環境といった要因がどのように影響しているかを検討するために、DNA分析による親子判定およびGISを用いた景観解析を行う。本研究は農作物加害個体の発生そのものの抑制を考慮した対策技術の開発および運用に繋がる知見を提供する。