研究課題/領域番号 |
23K17110
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
苅込 俊二 帝京大学, 経済学部, 教授 (90755761)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 中所得国の罠 / 早期脱工業化 / サービス主導型経済 / 経済発展論 / AI / オフショアリング / デジタル経済化 / 第四次産業革命 |
研究開始時の研究の概要 |
開発途上国における経済発展は従来、工業化を通じてなされてきた。このため、十分な発展がなされないうちに、経済の重点がサービス部門に移行することはネガティブに捉えられてきたが、デジタル経済化の進展など環境が変化する中、サービス部門においてもIT-BPOなど成長をけん引するセクターが生じている。また、すでに多くの途上国では、サービス部門が経済、雇用両面で最大のシェアを有する。本研究では、サービス部門が果たす役割を中所得国のフィリピンとベトナムを調査対象として考察、分析した上で、サービス主導の経済発展は可能か、成立要件やメカニズムを検討する。
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研究実績の概要 |
開発途上国における経済発展は従来、工業化を通じてなされてきた。このため、十分な発展がなされないうちに、経済の重点がサービス部門に移行することはネガティブに捉えられてきたが、デジタル経済化の進展など環境が変化する中、サービス部門においてもIT-BPOなど成長をけん引するセクターが生じている。また、すでに多くの途上国では、サービス部門が経済、雇用両面で最大のシェアを有する。 本研究では、開発途上国のうち中所得国を対象に、産業構造を国民所得統計、労働統計による就業者数、貿易データなどの切り口から分析し、課題①:中所得国におけるサービス部門の位置づけを特定、明確化する。そして、デジタル経済の進展などの環境変化を踏まえて、課題②:中所得国が経済成長を遂げる上でサービス部門が果たす役割を、フィリピンとベトナムを事例に考察、分析する。これら2つの課題の分析結果を踏まえて、中所得国においてサービス主導の経済発展は可能かどうか、その成立要件やメカニズムについて検討しようというものである。 2023年度は、中所得国におけるサービス部門の位置づけを明確化するために、サービス部門が成長に果たす役割について、既存研究のサーベイを重点的に行った。また世界銀行分類による中所得国を対象に、各国の産業構造を国民所得統計、労働統計による就業者数、サービス貿易データなどの切り口から整理し、低所得国、高所得国との対比から、サービス部門の位置づけを明確化した。また、シフト・シェア分析(産業ごとの成長が一国全体の成長から乖離する要因を産業の特性とその他の要因に区分し、成長貢献度を分析するもの)によって、産業構造の変化要因を分析、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定した文献サーベイ及び統計的分析は概ね遂行し、基礎的な調査は終えている。ただし、2024年3月に予定したフィリピンへの現地調査が実行できなかった。フィリピンについては、文献サーベイを通じて情報収集に努めているが、より詳細な実態の把握には現地での調査が欠かせないと考えている
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施ができなかったフィリピンへの現地調査に加え、ベトナムの現地調査を実施する。フィリピンについては、IT-BPOの質的、量的変化を聞き取り調査などにより明らかにする。また、ベトナムについては、製造業の重点が置かれる中、サービスセクターの位置づけを現地専門家の意見を聞き取り調査する。 以上の分析・検討結果を踏まえて、取り纏め論文を執筆し、海外学術専門誌に投稿する。
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