研究課題/領域番号 |
23K17125
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
河田 浩昭 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 講師 (00963539)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 事前計画 / セレンディピティ / 観光経験 / 観光者満足度 / 観光地ロイヤルティ / 旅行計画行動 / 顧客体験 |
研究開始時の研究の概要 |
観光におけるスマートテクノロジー活用の進展により、旅行前に立てた計画の達成と、旅行中のセレンディピティ(serendipity:旅行中での思いがけない発見、面白いことや価値のあることの偶発的な発見)の創出といった「計画性」と「偶発性」の2つの観点から観光者への支援が可能となっている。しかし、旅行計画行動とセレンディピティが観光者満足度や観光地ロイヤルティに与える影響メカニズムが明らかにされていない。 本申請研究は旅行前・中の計画行動(事前計画、セレンディピティ)と、旅行中の不確実性への対処結果が観光経験評価(観光者満足度・観光地ロイヤルティ)へ与える影響関係を構造的に明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
観光経験におけるポジティブな偶発的な体験であるセレンディピティについて、その具体的な現象・内容を把握・分析するため、東京ディズニーランド来訪者を対象にしたプレ調査(インタビュー)と、旅行体験全般に関する簡易調査(アンケート:100サンプル)を実施した。旅行体験全般に関する簡易調査で聴取した自由回答からは、現地で出会った人々との交流、現地での非計画的な認知、現地の提供者(店舗や宿泊施設)からのサプライズ、現地での行動時のハプニングの5つのカテゴリーを見出すことができた。さらに、分析によりセレンディピティの有無が観光体験の満足度や観光地へのリピート意向に与える影響が示唆される結果が得られ、今後より多くのサンプルを対象としたアンケートを実施し、検証を進めていく計画としている。 また、ワーケーション中の偶発的体験と、ワーケーションの経験および効果との関係性について探索的に研究を行い、ワーケーション中に偶発的体験が生じた場合は生じない場合と比較して、ワーク・エンゲイジメントの高まりが強く、各経験評価が高いという結果となった。なお、この研究については2023年12月の日本観光研究学会全国大会にて発表した。 こうした研究の成果を踏まえ、特定の観光地への来訪者を対象とした旅行体験時の事前計画・セレンディピティと満足度、ロイヤルティの関係の検証を目的とした調査の実施に向け研究対象地の選定を行った。その結果、鳥取市を研究対象地として選定し、アンケート実施の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、2023年度の研究として計画していた研究対象地候補の選定については、鳥取市を対象地と選定し、計画通りに進捗している。 また、観光におけるカスタマージャーニーと観光経験の評価についての探索的調査については、東京ディズニーランドを対象にしたインタビュー調査の実施と調査手法をインタビュー調査からアンケートの自由回答の分析へと当初の計画から変更して実施するなど、調査を重ねている。また、観光におけるカスタマージャーニーと観光経験の評価についての定量的検証を当初計画よりを前倒し、2024年度中に実施する方向で準備を進めており、全体的な進捗としてはおおむね順調であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に研究は進んでいるので、大きな変更は必要ない。特定の研究対象地における観光経験評価とセレンディピティとの関係についての定量的検証結果を踏まえ、必要に応じて、上記の関係について大規模サンプルによる検証、定量モデル構築による解析等を行い、研究成果の発表・報告を行っていきたい。
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