研究課題/領域番号 |
23K17137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉田 友紀 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (70759547)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 多様性 / 取締役会 / 外部取締役 / 女性取締役 / 企業多様性 / 社会多様性 / ゲーム理論 / 最適政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では多様性に関して、各国や各地域の状況を変数の定義域や条件の変化として捉えることにより既存の実証研究を統合する理論モデルを構築し、企業文化の多様性と社会文化の多様性が独立しているのではなく、相互に影響しあうことによってこそ、社会的に見て効率的な多様性の実現が可能になるという波及メカニズムを、主にゲーム理論を用いて明らかにする。その上で各国各地域をとりまく諸条件によって、採用すべき政策が異なることを示し、想定される多様化推進政策の効果で順位付けを行うことにより、多様な社会の実現へとつながる具体的政策を提示する。
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研究実績の概要 |
2023年10月28日、法と経済学会(於:京都大学)で研究報告「取締役会の多様性を目指した 社内女性採用と教育投資」を発表し、以下の3点を明らかにした。 1.経営者が女性取締役について、社内の女性候補者教育コストが小さく、社外を採用することによる情報の非対称性から生じる収益減が大きく資金調達でのメリットが小さい、社内と社外採用時の均衡における基本的多様性の差が小さい、社会的な多様性の程度が小さく社外候補者の人材が少ないと、社内女性候補が選ばれる可能性が高くなる。2.社外女性取締役が採用される均衡においては経営者、社内女性候補者ともに全く努力しない。3.経営者と女性取締役候補者の均衡努力水準については同じ性質をもち、取締役員への報酬比率が高くなると高くなり、採用される確率が高くなると高くなり、社内女性取締役の情報に関する優位性が高くなるほど高くなり、資金調達における社外女性取締役を選ぶこととの相対的デメリットが大きくなるほど低くなる。 また、2023年11月17日、KEBA 2023 Fall International Conference Program(於:韓国の群山大学)において論文"An Appointment of Internal Women as a Director and education-investments for Diversity on the Board"を報告。以上の論文で当初の計画である社会の多様性を企業が企業内部からの取締役候補を育成する際の教育コストとして分析する課題を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年10月28日、法と経済学会(於:京都大学)で研究報告「取締役会の多様性を目指した 社内女性採用と教育投資」、 2023年11月17日、KEBA 2023 Fall International Conference Program(於:韓国の群山大学)において論文"An Appointment of Internal Women as a Director and Education-investments for Diversity on the Board"を報告し、当初予定の、社会の多様性を測る尺度として企業が企業内部からの取締役候補を育成する際の教育コストを想定する場合のモデル分析を行った。また内部取締役と外部取締役のトレードオフも想定して追加分析。
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今後の研究の推進方策 |
社会の多様性については基礎となる分析は2023年度で終了し、2024年度は企業の多様 性と多様化推進政策を加味して3者間の相互作用を明らかにする。それによって社会の多様性の程度に応じて、適した多様化推進政策を採用することが社会的に最適である(時間コストと金銭的コストを最小にする、社会的余剰を最大にする)ことを示す理論分析を行い、昨年度の成果も含め国際ジャーナルでも採択を目指す。
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