研究課題/領域番号 |
23K17144
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
宮田 りりぃ 関西大学, 人権問題研究室, 非常勤研究員 (40832845)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | セックスワーク / 性風俗産業 / HIV/AIDS / 性感染症 / ジェンダー / 社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はセックスワーカーおよびその支援者たちを参加者とする質的調査によって得られた情報を分析し、日本の性風俗産業における性感染症予防の実態の詳細を、特に当事者たちによる関与のあり方に着目しながら明らかにしようとするものである。これにより、「性風俗産業における性感染症の感染拡大」について多角的に検証するとともに、性感染症予防にまつわるセックスワーカーおよびその支援者たちの意味づけや葛藤、変化といったリアリティを具体的かつ詳細なかたちで明らかにする。
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研究実績の概要 |
現在、日本では梅毒報告数の増加を受けて厚生労働省が医療機関からの梅毒発生届に患者の性風俗産業従事/利用歴に関する項目を加えるなど、性風俗産業における性感染症の感染拡大が注目を集めている。 こうした背景のもと、本研究はセックスワーカーおよびその支援者たちを参加者とする質的調査によって得られたデータをもとに、性風俗産業における性感染症予防の実態について、特に当事者たちによる関与のあり方に着目しながら明らかにしようとするものである。 本年度は、次年度から開始するセックスワーカーおよび支援者たちへのインタビュー調査に向けた準備段階として、セックスワーカーのためのエイズ対策の取り組みや、性風俗産業に対する法的アプローチが当事者たちのセクシュアルヘルスにどのような影響を与えるのかに関する文献調査を実施した。また、コミュニティベースでセックスワーカーの健康と安全のために活動する任意団体「SWASH(Sex Work And Sexual Health)」によるHIV/AIDS・性感染症予防のための啓発活動への参加や団体メンバーたちとの複数回にわたる意見交換、関連するシンポジウムなどへの参加を通して、AV新法や女性支援新法といった法律制定をはじめ、めまぐるしく変化するセックスワークにまつわる現状やスティグマ、規制強化が当事者たちのセクシュアルヘルスに与える影響について情報収集した。なお、これらによって得られた知見の一部は、第37回日本エイズ学会学術集会のシンポジウムにて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、AV新法や女性支援新法といった法律制定をはじめ、近年セックスワークにまつわる社会的状況が大きく変化していることから、その現状を把握することは困難だと思われたが、支援団体メンバーとの継続的な意見交換などによっておおむね順調に情報収集を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、支援団体が持つネットワークを活用してセックスワーカーおよびその支援者たちを対象とするインタビュー調査を実施する。さらに、インタビュー調査の結果をすべて文字化した上で分析し、性風俗産業における性感染症予防に影響を及ぼした出来事への当事者たちよる対処様式について明らかにする。また、その内容をもとに学会での口頭発表や執筆した論文の投稿も行う。
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