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超音波刺激による自己を参照するシステムと虚記憶を想起するシステムの脳内連関の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K17174
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関高知工科大学

研究代表者

島根 大輔  高知工科大学, 総合研究所, 助教(大学支援研究員) (00909301)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード虚記憶 / 自己 / 集束超音波刺激 / fMRI / 脳刺激法 / 超音波
研究開始時の研究の概要

ヒトの自己の同一性が記憶によって保たれていることは古くから知られている。自己の同一性を構成する記憶は,経験に基づく正しい記憶に限らず,経験したことのない事柄についての虚偽の記憶 (虚記憶) も含まれる。このように,「自己」と「虚記憶」の関連が示唆されている一方で,これらの直接的な関係を調べた基礎研究はほとんどない。本研究は, fMRIによる脳計測と超音波を用いた脳刺激を駆使し,自己と虚記憶にかかわる脳内システム間のダイナミクスを同定しようとするものである。

研究実績の概要

本研究の目的は,脳計測と脳刺激を駆使することで,自己と虚記憶にかかわる脳内システム間のダイナミクスを同定することである。具体的に,「自己に関連する記憶を想起するシステム」と「虚記憶が形成されるシステム」の関係性を行動レベルで再検証し,脳活動レベルで新たに同定することを目指している。本年度は,fMRI内で実施できるように修正した虚記憶計測課題の妥当性を検証するため,実験室でMRI内と同じ課題を実施する行動実験を行ない,虚記憶が計測できることを確認した。加えて,自己と虚記憶の関係を再検証するための実験を3つ行なった。これらの実験はすべて倫理委員会で審査されたものであり,かつ事前登録されている。実験1では,自己が虚記憶の想起に関わることを報告した先行研究の再現実験を行ない,結果が再現できることを確認した。実験2および実験3では,先行研究の問題点を修正し,自己が虚記憶の形成に関与していることをより直接的に確認した。これらの結果は,2024年度の日本心理学会および日本認知心理学会の研究発表に採択されており,その後は国際学術誌に投稿される予定である。また,2023年度には,記憶の誤りに関連する国際学術誌2本,学会報告7本を発表した。これらは本申請研究と記憶のエラーという点で深く関わるものである。
加えて,MRIを用いた脳活動計測実験も同時に遂行中である(現在19名)。一部解析の結果,虚記憶想起時の脳活動として,下頭頂小葉や内側上前頭回での賦活が認められた。これらの領域は,メタ解析で示された箇所と同様であり,この結果は,我々の実験においても虚記憶に関連した活動を捉えられていることの間接的な証左であると考えている。今後は,虚記憶を符号化した時の脳活動や,保持している時の活動,および自己と関連づけた時の活動を同定し,それらの領域に集束超音波刺激を実施した時の脳内ダイナミクスを調べることを最終目標としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は行動実験を実施しその結果を学会にて発表した。また,脳活動計測実験も実施中であり,解析も進行中である。これらのことから,概ね当初の予定通り進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

次年度は研究実施計画の通り脳活動計測実験の実施,および脳刺激実験の準備をする。脳活動計測実験は進行中であるため,実施に問題はない。脳刺激実験は,脳刺激装置をMRI内に設置するところから始める必要があるため,有識者に意見を求めつ注意深く進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] A field experiment demonstrating person misidentification at an appointed meeting place2024

    • 著者名/発表者名
      Miura Hiroshi、Shimane Daisuke、Itoh Yuji
    • 雑誌名

      Applied Cognitive Psychology

      巻: 38 号: 3 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1002/acp.4199

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] A descriptive study on misidentifications of a person as a familiar person in an everyday situation2023

    • 著者名/発表者名
      Itoh Yuji、Miura Hiroshi、Shimane Daisuke
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1038/s41598-023-35094-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 人違いの生起条件:フィールド実験による検討 (1)2023

    • 著者名/発表者名
      三浦大志, 島根大輔, 伊東裕司
    • 学会等名
      日本認知心理学会第21回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 人違いの生起条件:フィールド実験による検討 (2)2023

    • 著者名/発表者名
      島根大輔, 三浦大志, 伊東裕司
    • 学会等名
      日本認知心理学会第21回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Temporal Dynamics of Confidence in Person Misidentification: Demonstration in a Field Experiment2023

    • 著者名/発表者名
      Shimane, D, Miura, H, Itoh, Y
    • 学会等名
      Society for Applied Research in Memory and Cognition, SARMAC 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Person misidentification occurs in one-half of cases: Demonstration in a field experiment2023

    • 著者名/発表者名
      Miura, H, Shimane, D, Itoh, Y
    • 学会等名
      Society for Applied Research in Memory and Cognition, SARMAC 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日常における人違いの特徴:日誌法調査による検討(1)-人違いの特性とマスク着用による変化-2023

    • 著者名/発表者名
      伊東裕司, 三浦大志, 島根大輔
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日常における人違いの特徴:日誌法調査による検討(2)-誤同定人物への予期/期待が人違いの生起に与える影響-2023

    • 著者名/発表者名
      島根大輔, 三浦大志, 伊東裕司
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日常における人違いの特徴:日誌法調査による検討(3)-どのような場合に人違いに気づきやすいのか-2023

    • 著者名/発表者名
      三浦大志, 島根大輔, 伊東裕司
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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