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かわいさの知覚が商品の有効性を過小評価させる心理プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K17177
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関中京大学

研究代表者

井関 紗代  中京大学, 経営学部, 講師 (60879922)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードかわいさ / 消費者反応 / 有効性 / ベビースキーマ / かわいい / ブランドロゴ / ブランドネーム / 商品評価
研究開始時の研究の概要

かわいいものは接近動機づけを高め,長く見つめたり,気分がよくなったりすることがわかっている。そして,企業は積極的に「かわいい」を取り入れているが,実際に消費者行動に及ぼす影響は十分に検討されていない。私たちは,様々な製品やサービスを消費することで,快適さや便利さを得る,あるいは喜びや楽しみを味わうなどの便益を得ている。したがって,製品やサービスの有効性(efficacy)を知覚することは,購買意思決定において特に重要である。本研究では,かわいいと感じることで,その商品の有効性を低く見積もってしまう心理プロセスの根拠を示すとともに,そのメカニズムを解明する。

研究実績の概要

かわいいものは接近動機づけを高め,長く見つめたり,気分がよくなったりすることがわかっている。そして,企業は積極的に「かわいい」を取り入れているが,実際に消費者反応に及ぼす影響は十分に検討されていない。私たちは,様々な製品やサービスを消費することで,快適さや便利さを得る,あるいは喜びや楽しみを味わうなどの便益を得ている。したがって,製品やサービスの有効性(efficacy)を知覚することは,購買意思決定において特に重要である。本研究では,これまで十分に検討されてきていない「かわいい」のネガティブな影響に着目し,かわいいと感じることで,その商品の有効性を低く見積もってしまう心理プロセスの根拠を示すとともに,そのメカニズムを解明する。当該年度は,広告やロゴにかわいい属性が含まれると,商品やサービスの有効性が低く見積もられることを2つの実験を通して明らかにした(Study 1a, Study 1b)。
また,かわいさに関する消費者行動研究のほとんどは,視覚的要素に着目しており,聴覚的要素に関する研究は限られている(e.g., Lv et al., 2021)。そこで,同一の音/語句の繰り返しである畳語(reduplication)を含むブランドネームに着目した(例:“francfranc”"miumiu")。畳語を含むブランドネームがかわいいと知覚されるメカニズムとその結果として消費者反応にどのような影響を及ぼすのかを検討する共同研究も同時に進行している。当該研究について,早稲田大学消費者行動研究所マーケティング・コミュニケーション研究所共同シンポジウムで発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

広告やロゴにおいて,視覚的にかわいい属性が含まれると,商品やサービスの有効性が低く見積もられるというメインの効果を2つの実験を通して実証した。よって,今後は媒介変数を特定し,メカニズムを解明するという段階に進んでいる。さらには,共同研究において,聴覚的要素である畳語を含むブランドネームがかわいさを喚起することも実証されたことから,当該研究において,聴覚的要素の影響を検討することが可能になった。これらのことから,本研究は,おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は,視覚的にかわいい属性が含まれると,商品やサービスの有効性が低く見積もられるという効果の媒介変数を特定し,そのメカニズムを解明する。また,この効果は聴覚的にかわいい属性を含む場合(例: ブランドネームの音象徴,サウンドロゴ)にも観察されることを実証する。さらには,境界条件を明らかにし,理論的貢献および実務的示唆に富む研究を目指す。そして,本研究を論文にまとめ,Journal of Business Researchに投稿する。また,畳語を含むブランドネームに関する共同研究については,論文にまとめ,現在査読中であるため,学術誌への掲載に尽力する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] University of Dundee(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コントロール欲求の個人差が音楽配信サービスへの心理的所有感に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      井関紗代
    • 雑誌名

      マーケティングジャーナル

      巻: 43 号: 1 ページ: 42-52

    • DOI

      10.7222/marketing.2023.036

    • ISSN
      0389-7265, 2188-1669
    • 年月日
      2023-06-30
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] コントロール感の操作に基づくコントロール欲求が心理的所有感に与える影響の検討2023

    • 著者名/発表者名
      井関紗代・北神慎司
    • 雑誌名

      消費者行動研究

      巻: 29 号: 1_2 ページ: 1_27-1_38

    • DOI

      10.11194/acs.202303.003

    • ISSN
      1346-9851, 1883-9576
    • 年月日
      2023-03-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ”やさしい”ブランドネームは支払った気がしない?ー音象徴がモバイル決済における支払いの痛みに及ぼす影響ー2023

    • 著者名/発表者名
      鬼頭陽菜・北村涼乃・中村凜・村山雄飛・元木康介・井関紗代
    • 学会等名
      日本認知心理学会第21回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] センサリー・ブランディング:視聴覚要素に関するブランド研究2023

    • 著者名/発表者名
      元木康介・外川拓・井関紗代・Abhishek Pathak
    • 学会等名
      早稲田大学消費者行動研究所 マーケティング・コミュニケーション研究所共同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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