研究課題/領域番号 |
23K17179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
永野 茜 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 学振特別研究員PD (50823019)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 霊長類 / ニホンザル / 因果推論 / 心的表象操作 / 心的時間超越 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
マカクザルを対象に2種類の行動課題を実施し,それらの課題時の神経活動をfMRIを用いて測定し,因果推論の責任領域を同定する(研究1・2:1-3年目)。その後,TUSを用いて,研究1・2で同定した脳領域の活動を抑制した上で,研究1・2と同様の課題を行わせることで,心的時間超越を伴う因果推論の責任領域を特定する(研究3:4・5年目)。得られた知見は,論文や学会発表という形で報告する(2-5年目)
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研究実績の概要 |
ヒトは,現在,目の前で起こっている事象から,たとえ実際に目撃していない,未来に起こる事象や,過去に起こったであろう事象を推測することができる。この,心的時間超越を伴う,ヒトの因果推論能力は,どのような神経機構によって支えられているのかということは依然として明らかとなっていない。更に,非ヒト動物が未来の時点を想像する能力を示した研究はあっても,過去の時点を想像する能力を直接的に示した研究はない。そこで,本研究では,比較認知科学の知見を取り入れて新たな行動課題を開発するとともに,時間を超越した因果推論の神経機構を解明するために,機能的磁気共鳴画像 (fMRI) 法や経頭蓋超音波刺激 (TUS) 法といった神経生理学の技術を用いるという,比較認知科学と神経生理学を融合させたアプローチを行う。 今年度は,3個体のニホンザルを対象に,現在の状態から未来や過去の状態を心的に表象する能力の神経機構をMRIを用いて解明するために必要な行動訓練を行った。いずれの個体についても,モックMRI内で,モニター内の左右に提示される刺激に,位置的に対応する2つのアクリル製の箱(センサーボックス)のうちいずれか一方の箱に手を入れることで,刺激選択を行わせた。3個体中1個体については,幾何学図形を用いた数および色の遅延見本合わせ課題を習得した。残り2個体については,現在,幾何学図形を用いた色の遅延見本合わせ課題の訓練を実施中である。来年度も引き続き,訓練を継続して行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つの実験に必要な合計3個体のニホンザルの訓練が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き,3個体のニホンザルの訓練を実施する。訓練の習得速度を上げるために,モックMRI内だけでなく個別ケージ内でも訓練可能なシステムを導入予定である。
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