研究課題/領域番号 |
23K17181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | アニコム先進医療研究所株式会社(研究開発課) |
研究代表者 |
荒堀 みのり アニコム先進医療研究所株式会社(研究開発課), 研究開発課, 研究員 (40846292)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ネコ / エピジェネティクス / メチル化 / 性格特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、代表的なエピジェネティック修飾であるDNAメチル化パターンが、なつきやすさなどの行動特性と関連しているかを調べる。そのために、行動特性の種内多様性が高い雑種のネコを対象種とする。ネコ種内でDNAメチル化パターンの多様性の高い領域を選抜し、各個体特有の経験を考慮に入れた上で、ネコの行動特性をエピジェネティクスがどれほど説明しうるかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、ネコの行動特性、特になつきやすさと、DNAメチル化パターンとの関連を明らかにすることを目的とした。具体的には、個々のネコから得たDNAメチル化データを基に、性格特性や成育歴との関連を検討する。 第一年度である本年度は、アメリカンショートヘアおよび日本猫(雑種)各30個体の口内細胞由来DNAを使用し、全メチローム解析を実施した。この解析には、DNAへのダメージが少ないとされるEM-seq法を採用した。 表現型データについては、日本猫の飼い主から、基本的なデータやFe-BARQ質問紙を用いた行動特性の評定、飼い猫を拾った経緯や性格に影響を与えたとされる要因についての回答を収集した。現在、約500個体のデータが集まっており、初期解析の結果、「拾われた月齢が高く、兄弟がいない場合、攻撃性が高まる」という傾向が示唆されている。今後は、メチル化データとの関連性についてさらに詳細に分析を進める予定である。 また、ペット(ネコ、イヌ)と子どもの関係性に関する研究も同時に進行中であり、その結果について論文を執筆中である。現在の結果として、ペットは1歳児に対してネガティブな行動を強く示す傾向があり、しかし年齢が上がるにつれてその傾向は低下することが確認されている。このような、子どもなどを含む、ネコの行動特性に影響を与える環境要因の効果も今後詳しく調査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネコの全メチローム解析を多数の個体について実施することができ、表現型データについてもある程度そろえることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度得た全メチローム解析のデータをもとに、メチル化領域のうち個体差が大きく信頼性が高い領域のみを選択的に、かつ多数の個体で読むため、ターゲットシーケンスを次年度は実施する予定である。そのためにどの手法を採用するかを現在検討中である。
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