研究課題/領域番号 |
23K17188
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
向井 丈雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60871324)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ミクログリア / ニューロン / 間葉系細胞 / 臍帯由来間葉系細胞 / 臍帯 |
研究開始時の研究の概要 |
UC-MSCを用いた傷害された神経系細胞に対するcell-to-cell contactの重要性を示すin vitroでのインサート共培養との比較やin vivoでのITとIVとの神経学的保護効果を示した比較実験はなく、本研究が国内外初となる。従って本研究は傷害された神経系細胞に対するUC-MSCの直接的あるいは間接的な保護効果を証明する重要な基礎研究であり、現在行われている脳神経系障害に対するMSCを用いた臨床研究に対してもITもしくはIV投与の選択の根拠となり得る有用な基盤であると考える。
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研究実績の概要 |
東京大学医科学研究所においてLentivirus vectorを用いて数ロットの臍帯由来間葉系細胞(UC-MSC)へGFP遺伝子を導入済である。酸素とグルコースを除去したOGDモデルによるマウス由来ニューロン傷害が確認された後、トランスウェルを用いてUC-MSCと接触系の共培養を行った。ニューロンの軸索長がOGD群で減少するが、UC-MSCとの共培養により改善することを証明した。またTUNEL染色でOGDによるニューロンのアポトーシスがUC-MSCで減少することを確認した。直接同時に培養する接触培養系のoptimizationを行っており、24時間共培養中に生細胞タイムラプスイメージング装置により観察し、GFP導入MSCの動線の追跡を行う予定である。また、マウス由来ミクログリアをIba1で染色して観察し、OGDにより傷害を惹起してTUNEL染色でOGDによるアポトーシスの程度を定量する。東京大学医科学研究所に加えて、東京大学医学部附属病院においてベビーからの臍帯採取に関して東京大学医学部附属病院の倫理委員会申請を行い承認を得ており、UC-MSCの培養を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
接触培養系・非接触培養系におけるUC-MSCの保護効果の検討として、ニューロンの実験系が確立されているが、ミクログリアのOGDに関しては実験系が確立されていない。既に確立されているLPSによるミクログリア刺激を用いた活性化型ミクログリアを対象としてUC-MSCのcell-to-cel contactによるimmunomodulationを比較検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
TUNEL染色でOGDによるアポトーシス、ミクログリアの非活性化型(軸索突起状)/活性化型(アメーバ状)の形態変化、MAP2染色によるニューロン軸索長の測定に関して定量を行う必要がある。また細胞をトリプシンで剥離し、マウスプライマー、抗マウス抗体を用いてRNA、タンパクレベルでUC-MSCのニューロン・ミクログリア保護効果を評価する。炎症性サイトカイン(IL-1β、TNFα、IFNγ)、pNFκB pathway解析、caspase活性の評価を行う。またFACSによりミクログリアのCD206/86とArg1/iNOS発現の割合も評価する。MSCのstromal cell-derived factor-1 alpha (SDF-1α)/chemokine (C-X-C motif) receptor 4 (CXCR4)等を介した遊走機能に関しても検討を行う。 特にin vitroの研究に関しては、東京大学医科学研究所だけでなく東京大学医学部附属病院においても推進可能であると考えており、東京大学医学部附属病院の小児科研究室における実験系の確立を目指す必要がある。
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