研究課題/領域番号 |
23K17218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
猪瀬 智也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (10930448)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 金ナノ粒子 / 金ナノクラスター / リン酸カルシウム / マンノース / X線CT造影 / 蛍光イメージング / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がん免疫療法において治療効果を予測する指標として有用な細胞を定量評価できる複合ナノ粒子型細胞造影剤の創製を目指す。具体的には、腎臓から排泄可能なシングルナノメートルサイズの金ナノ粒子を基盤とした複合ナノ粒子の設計・構築指針を明らかにし、各種in vitroおよびin vivo試験により、その有効性を基礎実証する。以上より、がん免疫療法の効果予測のための基礎基盤を築く。
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研究実績の概要 |
本研究では、がん免疫療法において治療効果を予測する指標として有用な細胞を定量評価できる複合ナノ粒子型細胞造影剤の創製を目指す。具体的には、腎臓から排泄可能なシングルナノメートルサイズの金ナノ粒子(金ナノクラスター)とリン酸カルシウムの複合ナノ粒子の作製と評価を行い、同複合ナノ粒子の設計指針を明らかにするとともに、その効果を細胞・動物実験により実証する。 本年度(2023年度)は、医薬品を原料に用いた共沈法により複合ナノ粒子の作製に取り組んだ。6種類の医薬品注射液から調製したリン酸カルシウム過飽和溶液に金ナノクラスター懸濁液を混合し、37℃で60分間静置することで、金ナノクラスターを含むリン酸カルシウム複合ナノ粒子を作製できた。その際、作製時の金濃度を制御することで複合ナノ粒子の直径を制御可能(30~100 nm)であることを見出した。また、複合ナノ粒子の蛍光能を評価したところ、金ナノクラスター単体に比べて、飛躍的に向上していることが明らかとなり、X線CT造影と蛍光イメージングのバイモーダルイメージング剤としての利用の可能性が示された。さらに、金ナノクラスターに細胞標識能を付与するため、細胞標識剤の候補分子であるマンノースの修飾にも取り組んだ。具体的には、マンノース誘導体であるマンノサミン(アミノ基含有)を、アミド結合を利用して、金ナノクラスター表面(カルボキシル基含有)に修飾した。この際、マンノサミン量を変化させて修飾を試みた。FTIRや糖結合性タンパク質等の評価により、マンノース修飾量の異なる金ナノクラスターが得られたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は主に、金ナノクラスターおよびリン酸カルシウムの複合ナノ粒子作製ならびに構造解析を行い、複合ナノ粒子の粒子径制御手法を確立することができた。また、複合化による金ナノクラスターの蛍光能向上を確認し、バイモーダルイメージング(X線CT造影および蛍光イメージング)剤としての利用可能性も明らかにした。学術論文誌や学会での成果発表も行っており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
マンノース修飾金ナノクラスターとリン酸カルシウムの複合ナノ粒子を作製し、細胞の標識能、安全性等を確認することで、機能の実証を行っていく。
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