研究課題/領域番号 |
23K17220
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村山 迪史 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10964497)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 三尖弁逆流 / 経胸壁三次元心エコー法 / 重症度評価 / 解剖学的逆流弁口面積 / 心エコー / 重症度診断 / 三次元心エコー / 解剖学的弁口面積 |
研究開始時の研究の概要 |
三尖弁閉鎖不全症は、種々の心疾患患者の予後不良因子である。近年、欧米を中心に三尖弁逆流に対する経カテーテル治療の臨床試験が行われ、本症に対する新しい低侵襲治療法として注目されている。これを背景に三尖弁逆流の正確な重症度評価が求められるようになってきた。そこで、非侵襲的な経胸壁3次元心エコー法と3次元画像解析用の自動計測ソフトウェアを組み合わせた新しい三尖弁閉鎖不全症の重症度診断法の確立を目ざす。
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研究実績の概要 |
三尖弁逆流(TR)の有病率は加齢とともに増加し、重症TRの生命予後は不良であることから、TRは高齢化の進む現代社会において重要な心臓弁膜症の一つとして注目されている。近年、TRに対する新たな低侵襲治療法として経カテーテル治療が登場し、これによりTRの重症度のみならず生活の質の改善が得られることが報告された。この新しい治療戦略の登場に伴い、とくにsevereを超えるTRの正確な重症度評価が求められるようになってきた。TRの重症度評価には心エコー検査のカラードプラ法が広く用いられるが、TRは他の弁逆流に比して逆流速度が遅いことから、重症度を過小評価する可能性があることが知られている。加えて、逆流弁口が極めて大きい重症TRでは逆流血流が層流化し低速となるため、カラードプラ法の適用が困難となることも指摘されている。最近、CTや三次元経食道心エコー法で計測した三尖弁の解剖学的逆流弁口面積(AROA)のTR重症度評価における有用性が報告された。AROAは、カラードプラ法によるTRの重症度指標と異なり、TR流速そのものに依存しないため、とくに重症TRの定量評価に有用と考えられている。しかし、CTや経食道心エコー法は、被爆や苦痛を伴う検査であり、繰り返し行うには不向きである。本研究の目的は、非侵襲的な経胸壁三次元心エコー法を用いたAROA(3D-AROA)の計測が可能か否か、また、3D-AROAをTRの重症度評価法として用いることができるか否かを明らかにすることである。 当該年度において、北海道大学病院で心エコー検査が行われたmoderate以上の機能性TR患者49例を対象に解析を行った。結果として、3D-AROAの86%で可能であり、severeを超えるTRでは全例で計測が可能であった。加えて、3D-AROAはカラードプラ法に基づくTRの5段階の重症度に従って段階的に増大した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度において、北海道大学病院で心エコー検査が行われたmoderate以上の機能性TR患者49例を対象に解析を行い、3D-AROAはsevereを超えるTR例では全例で計測が可能であること、また、既存のTRの重症度評価法と良好に対応することが明らかとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で、とくにsevereを超えるTRの症例数が少ないため、次年度も引き続きデータ取得を行っていく予定である。加えて、3D-AROA計測の妥当性を検証するために、経食道心エコー法を用いた先行研究で使用された三尖弁専用の解析ソフト(三尖弁の弁尖のトラッキングによる位置座標に基づき再構成された三次元モデルよりAROAを算出できるソフト)を用いた解析を進める。このソフトを用いて算出された客観的なAROAと用手的トレースによる3D-AROAとの対応を確認することで、日常臨床における3D-AROAの実用性を確認できると考えられる。今後の展望として、経胸壁心エコー検査を用いた3D-AROAと腹部内蔵のうっ血や生命予後との関連を検討し、本手法の臨床的有用性を明らかにしたい。
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