研究課題/領域番号 |
23K17225
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大村 眞朗 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (90897703)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 医用超音波 / 高時間分解能イメージング / 散乱 / 流体力学特性 / 血液 / レオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
血液粘弾性は脈管機能低下の血行力学的要因として注目される.生活習慣病に至る前の未病,疾患,術前後の血液粘弾性の揺らぎを非侵襲かつ定量評価する超音波計測システムの開発を目指し,本研究において解析手法の最適化,そのために必要な生体条件を模した血液性状制御法および流路循環システムの高機能化を行う.学術的問いである「血液からの超音波エコー信号の性質はどのような血液状態を反映しているか」を実験的検証により示す.任意の流れ場や圧力条件を詳細に制御し,生化学的応答が異なる多種の血液サンプルに対して赤血球の形態情報や流場挙動の違いを超音波エコー信号の特徴から捉えることができれば,血液粘弾性計測が可能になる.
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研究実績の概要 |
血液エコーを詳細に解析するために,血管内に定在した周囲組織エコー(クラッタ成分)を抑制するクラッタフィルタが必須である.これまでにクラッタフィルタを考慮した高速超音波イメージングにおいて,超音波伝搬方向に対する周波数特性(後方散乱係数)を解析することで,低ずりにおける血しょう中の赤血球凝集・連鎖および高ずりにおけるそれらの解放(赤血球単体)状態の評価可能性を検討してきた.一方,それら状態を指標化する上で,散乱源となる大きさを数 μm~10 μmのスケールで高精度に推定するためには超音波プローブの受信帯域の制約を受ける.当該年度で新たに広帯域プローブの複数周波数励起条件を検討し,広帯域・時間分解能・感度を保持したロバストな後方散乱係数解析法を提案した. 提案する2周波数励起シーケンス(dual-f)を従来の短パルスの単一周波数励起条件(single-f)と比較し,粒径が既知なファントム・摘出ブタ血液サンプル・ヒトin vivo上腕脈管において有用性を評価した.dual-fでは,血液レオロジー特性に関わる指標(血球凝集数・充填率)の空間のばらつきが減少し,single-fと比べて推定値の安定化をもたらした.さらに,in vivo脈管の評価において,single-fに比してdual-fの周囲組織エコーと血液エコーのコントラスト比(画質性能)は約10 dB,推定に用いる超音波伝搬方向の周波数レンジ(帯域幅)は約50%増加することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度計画の①計測条件および解析アルゴリズムの最適化~周波数解析の広帯域化を目指した計測~について,実験的検討から探索的臨床データの収集を一貫して進め,随時課題をフィードバックおよび解決しようと試みているため.
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今後の研究の推進方策 |
年度計画における②血液と流れ場の応答解析~試料作製手法の検討と内圧計測~について,低流速の上腕脈管エコーにおいてクラッタフィルタの最適化を行うために,特に低流速(低ずり状態)や血圧計測時の減圧条件を再現した追加の実験的検討を行う.また,疾患を伴う症例の生化学検査や高周波リニアプローブによる末梢血管の評価結果と比較し,血液レオロジー特性に関わる推定値の妥当性および上腕脈管などにおける有用性評価を行う.
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