研究課題/領域番号 |
23K17238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
冨田 陵子 福岡大学, 薬学部, 助教 (10580194)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アミノ酸 / HPLC / COVID-19感染 / 診断 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、感染の有無を判定する検査機関の負担が増加する一方で、1日に処理できる検査件数の限界が問題とされてきた。負担軽減やハイスループットな検査体制の整備には、現行のRT-PCR検査や抗原検査に代わる新たな検査法の開発が必要である。そこで本研究では、生体内アミノ酸を測定し、そのトータルバランスの変動解析を基盤とした検査ツール(診断予測・治療効果モデル)の構築を試みる。本法は、小規模研究施設や医療機関でも導入しやすい機器で簡便かつ迅速に測定可能であり、既存の検査とは原理の異なる新たな補助検査法として提供できると期待している。
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研究実績の概要 |
近年の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、感染の有無を判定する検査機関の負担が増加する一方で、1日に処理できる検査件数の限界が問題とされてきた。集中していた負担を分散し、ハイスループットな検査体制を整備するためには、現行のRT-PCR検査や抗原検査に代わる新たな検査法の開発が必要である。申請者はこれまでに、生体内アミノ酸のトータルバランスの変動解析に基づいた総合的指標を作成し、細胞状態などを評価する手法「アミノ酸メタボロミクス」を開発している。今回、本手法をCOVID-19感染症の診断へと応用し、感染の有無を判定できる検査ツールの構築を試みる。一方で、近年COVID-19発症に伴う腸内細菌叢の変化が注目されており、トリプトファン代謝:セロトニン経路やキヌレニン経路の変動解析は、診断バイオマーカーの構築や病態解明における有用な知見を得られると考えられる。そこで本研究では、トリプトファンを起点とするインドール類の同時LC測定法の開発にも着手し、患者試料(血漿)分析で得られた情報をアミノ酸情報と統合する。これにより、より有用かつ高精度な検査ツールの開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
少数ではあるが入手できたCOVID-19感染症患者由来の臨床検体(血漿)に含まれる血中アミノ酸についてLC-蛍光分析を行った。COVID-19感染症患者と健常者の血中アミノ酸バランスの差異を確認すべく、得られたアミノ酸情報について統計解析ソフトウェアにて解析している段階である。両者の血中アミノ酸バランスは異なっていることが示唆される結果が得られているものの、判別モデルの作成には至っていない。また、インドール類(L-トリプトファン、5-ヒドロキシトリプトファン、セロトニン、5-ヒドロキシインドール-3-酢酸、N-アセチルセロトニン)の同時LC測定法の開発に向けた基礎的検討は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も臨床検体の入手と血中アミノ酸のLC-蛍光分析を継続し、得られたデータから群間で異なる変動を示すアミノ酸類の同定やCOVID-19感染の有無を判定できる判別モデル作成を試みる。また、薬物治療後の試料を用いた検討にも着手し、治療効果判定への応用も進めていく予定である。さらに、診断バイオマーカーの構築や病態解明における有用な知見を得るべく、インドール類を対象とする高感度かつ高精度なLC分析法を構築し、逐次、臨床検体の分析へと適用していく予定である。
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