研究課題/領域番号 |
23K17246
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
福永 周生 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30623300)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | バイポーラスネア / モノポーラスネア / EMR / サーモグラフィー / バイ ポーラスネア / 内視鏡的粘膜切除術 / 熱損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)は通電時の熱損傷で腹膜炎を来すことがある。バイポーラスネアを用いたEMRでは、組織深部への熱損傷の予防効果が期待されるが、モノポーラスネアと比較して熱損傷が軽微かどうか、術後の腹膜炎を予防する効果を有するかについては明らかではない。浸水下やgel immersion下でのEMRにおいて、水やgelの放熱効果が熱損傷を予防し得るかについても解明されていない。本研究では、ブタ切除腸管モデルと生体ブタ実験により、様々な条件下で2つのスネアを用い、漿膜面の経時的な温度変化、生体ブタでの炎症と組織損傷の程度を比較することで、最も低侵襲な切除方法を模索する。
|
研究実績の概要 |
研究計画にのっとり、下記3条件の内視鏡的切除胞でブタ切除腸管での温度上昇の評価を行った。①従来EMR:生理食塩水を粘膜下層に局注する方法、②UEMR:腸管内に生理食塩水を充満させる方法、③GIEMR:腸管内にgel (ビスコクリア, 大塚) を充満させる方法。 ブタ切除直腸を用いて、モノポーラスネア (SD-210L-25 Olympus)とバイポーラスネア (DRAGONARE, ゼオンメディカル)を別々に用い、上記①~③の3条件下、計6パターンの方法で切除することを実行した。 通電には、高周波手術装置 (VIO3, ERBE)における各種スネアの標準設定モードを用いた。 通電の際は切除部位の漿膜側の温度をサーモグラフィー (InfReC R300, 日本アビオニクス)で撮影・測定した。疑似ポリープの作成、切除方法、サーモグラフィーによる温度測定などを繰り返し練習することにより、各条件下でのデータ測定を安定させる試みを行った。実臨床よりもモノポーラスネア使用時の高周波電流の通電性が悪く、通電状況を改善する工夫が必要な状況である。これに対しては、内視鏡治療のハンズオンセミナーで使用しているモデルを参考にしながら、高周波電流の通電性を改善する計画を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モノポーラスネア (SD-210L-25 Olympus)とバイポーラスネア (DRAGONARE, ゼオンメディカル)を別々に用い、3条件下、計6パターンの方法で切除するため、ブタ切除大腸内で疑似ポリープの作成を試みたが、なかなか条件がそろったポリープができず、穿孔(全層切除)も多くなった。そのため、使用するブタ腸管の部位や疑似ポリープの作成方法を変更を試し、時間を要した。また、実臨床よりもモノポーラスネア使用時の通電が悪く、通電状況を改善する工夫が必要と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
モノポーラスネア使用時の通電効率を上昇させる工夫を行う。サーモグラフィーによる温度測定の条件を安定させる。これらが軌道に乗れば、従来EMR、UEMR、GIEMRをモノポーラ・バイポーラスネアを用いて、計6パターンの切除を行い、その温度上昇の違いを比較検討する。最終的に最も発熱範囲と温度上昇が軽微であった2法を選定し、生体ブタでの炎症と熱損傷の評価の実験計画に移行していく予定である。
|